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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第1章

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第24話 ーーーサラマー国ではーーー

 



 私は、ミリエナ国王家事務官筆頭 ドリトス=クラームス 今年で45歳になる。


 最近、西側隣国のサラマー国では、主に獣人達が支配するルアンダ国に宣戦布告したと噂が流れてきた。真偽を確かめるべく、密偵を放ったがその話は本当らしい。


「普通であれば、我が国にサラマー国側から使者を送るなりして経緯を説明するべきであろう。ミリエナ国を馬鹿にするのも大概にしてほしい……」


 ミリエナ国にとっては、サラマー国もルアンダ国も共に友好国である。


「ここは、静観すべし」という王の命により、当国としては、現状を把握しその経緯を見守る事になったのだが、国境付近では、難民流入などの問題もあり、サラマー国側の国境とルアンダ国側の国境に兵士達を派遣させている。


 しかし、送る出せる兵士の数にも限りがあるため、小さな町や村などでは治安の問題もあり冒険者の派遣をお願いしてある。


 ミリエナ国に被害が及べば、当国の参戦も辞さない覚悟も必要だ。その為の準備もあり、王宮内は、今、大変忙しい。


「ドリトス、ドリトスや」

「あ、これは導師グラハム様どうかなされましたか?」

「先程から、呼んでいたのじゃがのう。お主が立ったっままぼーっとしておったので声をかけたのじゃ」

「そうでありましたか。それは、失礼致しました」

「ほれっ。ズボンの例のところが全開じゃぞ」

「えっ!こ、これは……あいすみません……」

「わははは、若い時はいろんな事に使うでのーー。儂みたいに年を取れば用を足すだけじゃがのう、わははは」

「導師様から見れば私も若く見えるかもしれませんが、私も40過ぎておりますし、使う機会は限られていますよ」

「そうか。そうか。儂がお主の年代の頃は、毎晩活躍しておったのにの〜〜」

「それは、何よりでございます。で、ご用件は何ですか?」

「ほれっ。王宮に急に現れたあの少年のことじゃ。この前、王宮で見かけたのでな。何用かと聞きに参ったのじゃ」

「シロウ殿の事ですね。確か、アンリエット様から、一千年前の戦争の話をお聞きになられていたと聞いております」

「ほほーー一千年前の事をか……」

「そう聞いております。それが、どうかなさいましたか?」

「ちょっと、気になってのう……まぁよい。お主も忙しいじゃろうし、年寄りはこの辺で退散するかのう〜〜」

「こちらこそ、助かりました」

「わははは、またのうーー」


 ……導師様は何故、あのシロウという少年を気にかけるのだろうか?……


「おっと、仕事、仕事……」




 ◇◇◇




 宿の部屋で俺達は堕天使アザゼルの事で相談していた。


「やはり、直接サラマー国に行くしか方法は、ありませんな」


 ソラスは、そう話す。


「瘴気が満ちていたらリーナ達は危険なんだろう?」

「今程度のものであれば問題ないですが、ミミー様は危険かもしれませんな」

「リーナは大丈夫?」

「問題ない」

「ミミーをここに一人残しておくわけにはいかないし、俺とリーナで行こうか?」

「えっーー私も行きたい」

「そうは言っても、戦争してるかもしれないんだぞ。危険すぎる」

「過保護の馬鹿兄貴!」

「サツキ、遊びじゃないんだ」


「そうでありますね〜〜。私とサツキ様そして、ミミー様で獣人の国ルアンダに行きましょうか?そちらの状況も把握してなければいけませんし、宣戦布告したのが、サラマー国というなら、アザゼルは、サラマー国にいると思います。危険は、そちらより少ないと思います」


「行きたい。猫耳王国に行きたい」

「本当にサツキは……」

「いいでしょう。シロウ兄」

「無茶しないというのならな!」

「は〜〜い」

「ミミーもそれでいい?」

「しかちゃないのでちゅう……」


 俺は、リーナと転移で向かい、サツキ達は空を飛んで行く事になった。



 ◇◇◇



 俺とリーナが転移したのは、サラマー国の首都ロンドという街だ。王城を中心として、扇状型に広がる街並みで俺達は、その最下層のいわゆる貧民街の路地だった。


 あたりは殺伐としており、ガラの悪そうな奴らが群れをなしている。その中のいかにも女好きそうな奴がリーナを見つけて近寄って来た。


「こりゃすげーー美人だな。ちょっと俺達と遊ばね〜か?」

「……」

「おい、返事をしろよ!」

「あのーーその辺にしといた方がいいですよ」

「何だテメーー!この女の連れか?このモヤシより俺様の方が楽しませてあげれるぜ!さぁーー一緒に来な!」

「虫がうるさい!」


 そう言った瞬間、その男は、遥か遠くに投げ飛ばされていた。


「おいおい、女何しやがった!」

「だから、やめた方がいいって……リーナ。殺しちゃダメだよ」

「何言ってんだ……あーーー……」


 絡んで来た男達は一瞬で遠くに弾き飛ばされた。もちろん、気絶している。


 ……だから、言ったのに……


「シロウ、面倒。みんな殺していい?」

「今はダメだ。騒ぎになったら、いろいろマズイよ」

「わかった。シロウがそう言うなら」


 リーナは、集まって来たガラの悪そうな奴らを、今度は、一瞬で眠らせてしまった。


「リーナ。殺してないよね?」

「寝かせただけ」


 俺は、安心したが、ここでは、情報も集まりずらい。全マップ探索で王城に近くて人気の無いところをリーナに教え転移した。


「どうアザゼルの気配する?」

「気配は残ってる。けど、ここにはいない」

「俺も全マップ探索で探しているけど、城の中にもこの首都にもいないみたいなんだ」

「もしかしたら、戦場にいるかも」

「その可能性はあるね。どうだろう。気配を消して城の中に入ってみないか?情報がほしい」

「わかった」


 俺とリーナは、気配と姿を消し王城に侵入した。




 ◇◇◇



「何か城の中の様子がおかしい」


 衛兵達はいるものの、無気力な様子で今、戦争を起こしているとは到底思えない。


「魂が喰われている」

「リーナ、それ、本当か?」

「私は嘘をつかない」

「これって、大変な事だよね」

「人間にとって大変かどうかは知らない。でも、魂を食べたのがアザゼルなら、力が回復しているはず」

「そうなるとどうなるの?」

「力を回復したアザゼルを止めるのは、サタン化しなければ私でも困難」


 ……サタン化というと、暴走状態のリーナなのか?……


 リーナが困難という程だ。その力の強大さが想像つかない。


「城内の殆どの人間が、魂を生存ギリギリまで喰われている」

「ステータスを表示させても、無気力状態になっているよ」

「こうなれば、こいつらはアザゼルの駒。思い通りに動かせる」

「人間を盾にできるという事?」

「そう」


 これでは、どうしようもない。せめて、正気な人がいれば良いのだが……


「あっ!リーナ。見つけたよ。アザゼルに魂を喰われていない人。えっと、ステータスを見てみると……あっ。この国の第一王子みたいだ」


「そいつのところに行ってみよう」


 俺とリーナは、王城内の最奥の部屋にいる人物に会いに行く。


 その部屋は、城内でも異質だった。大きな錠前があり、扉には外から鍵がかけられている。どうみても監禁しているとしか思えない厳重さだ。


 俺達は、鍵を開け、硬く閉じられた扉を開く。そこには、ベッドに両手両足を鎖で繋がれた、人物がいた。


 俺達は、気配を断つのをやめその人物に声をかけた。


「サラマー国の第一王子、ライン=シュベルト様ですね?」


「……うっ……う……っ」

「様子がおかしい」

「ちょっと待って」


 第一王子のステータスを表示させる。すると、


【呪術による皮膚、筋肉の硬化】


 という状態が表示された。


「呪いを受けて身体の硬直があるみたいだ」

「それで、アザゼルに魂を喰われないで済んだ……」

「リーナ、この呪術を解除できるか?」

「呪術は無理。かけた術者の解除が必要」

「結構、酷い状態だぞ。皮膚は甲羅みたいに硬くなっている。これでは、話す事は無理だ」

「ほっとけばいい」

「そうだが、この国で起きてる事を把握できない。魂を喰われてないとすると、アザゼルが封印から解かれる前からという事か?」

「その可能性は大」

「あっ!フェニックスの涙で解除できないか?」

「一時的には、今の状態を回復できるかもしれない。しかし、呪術は、また進行する」

「王子から術者を聞き出せれば、対処の仕方もある」


 俺は、フェニックスの涙を含ませた回復薬を第一王子に飲ませた。すると、身体の硬化が和らいでいく。


「……う…〜っつ……あーーー」

「声が出せてきたみたい。ライン様、ライン様」

「そ……そなた……は…?」

「ミリエナ国の冒険者です。王城の様子が変でしたので勝手に入らせてもらいました」

「あー……アランを止めてくれ……l

「アラン?」

「私の……弟だ……。あいつは……戦……そ…うを……」


「また、硬化が始まった」

「ライン様、誰に呪いをかけられたのですか?」

「ア…ラ……ン……」


「第二王子が、呪いをかけたのですね?」

「あ………っつ……う……」


「ダメか……」

「術者を捕まえて解除させるか、殺すしかない」

「呪いは魔法とは違うんだよね」

「そう、とても厄介な代物」

「普通の人間が呪いをかける事ができるの?」

「まず。無理。かけれるとしたら生まれ持ったギフトを持った者」

「ギフト?」

「シロウも似たような者。神から授かったもの」

「じゃあ、呪いをかけた人物は、転生者なのか?」

「それは、わからない。ギフトは巡るもの。生まれ変わりは異世界の住人とは限らない。この世界で、過去にギフトを持ったものが生まれ変わったとも考えられる」

「そうなんだ。とりあえず第二王子を捕まえないとどうしようもないって事だけはわかったよ」

「この人間はどうする?」

「ここに置いておけないし……そうだ。俺のマイルームに匿おう」

「いいの?シロウの能力を知られるよ」

「構うもんか。このまま、見て見ぬ振りはできないよ」

「わかった」


【マイルーム ドア1オープン】


 ドアが出現し、第一王子をキングサイズのベッドに寝かす。そして、ドアを閉じた。


 俺は、第二王子を全マップ探策で探す。やはり、ルワンダ国との国境付近にいた。そこには、多くの兵が集まっており、戦争が始まってもおかしくない状態だ。


「あっ……」

「シロウ、どうしたの?」

「アザゼルを見つけた」

「そう?」

「うん。第二王子と一体化してる……」

「魂を一部残して喰らったんだ」

「なぜ一部を残すの?」

「全部喰らえば呪術が解ける」

「……そこまでして何がしたいんだ!」

「悪魔は本能で動く。若しくは背負った業に導かれる」

「第二王子はもう助からない?」

「無理」


 第一王子に呪いをかける程の奴だ。性格が捻じ曲がっているのだろうが、何かやりきれない気分だ。


「アザゼルは、その人間の魂に惹かれた。つまり、その人間は悪人」

「倒すしかないのか……」

「そうしないと瘴気に当てられ私達も本能のまま行動する事になる」

「そうか……」

「そうなれば、この世界は終わる」

「………」


 これは、思ってたよりとんでもない事になりそうだ。






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