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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第4章

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第101話 ーーー三国会談(1)ーーー





 この数日間、ドラキュラ伯爵の捜索そっちのけで、俺とゼロスリーは、この廃村化した町で魔法の修行をしていた。山に行けば魔獣はいるし、練習するには、もってこいの場所だった。


 ゼロスリーの魔法の教え方は、とても上手でわかりやすい。ここで、俺は、火魔法を始め、風、水、土、闇魔法の中級編ぐらいまでマスターする事が出来た。


 そして、レベルも上がった。覚えたての魔法を使って魔獣討伐を繰り返し、今は、レベル30になっていた。


 ゼロスリーは、夜になると血を欲しがった。微妙な雰囲気になるが、血を吸えば、アイドル(もど)きに豹変し、3分経つと朝まで寝てしまうので、深い関係になることは、無かった。


……俺は、眠れね夜を過ごす事になるけど……



 そして、今日は、サラマー国王城に行かなければならない日だ。朝から、出かける用意をしていると、リーナから念話が入った。


『シロウ、徘徊老人は見つかった? 』

『嫌、まだだよ。気配とかないからドラ代に魔法の使い方教わってたよ』

『そう。あと、ルシファーがシロウとお酒を飲みたいと言っていた』

『俺、日本じゃお酒飲める年齢じゃないから無理だよ』

『ルシファー、ドラキュラ伯爵がいないから、暇こいてる』

『あの堕天使を仕事させられるのはドラキュラ伯爵ぐらいしかいなそうだよね』

『そう。面倒。何かあれば連絡して』

『わかった』

……[念話終]……


「冥界でもドラキュラ伯爵、見つからないみたいだよ」

「困ったお方です。もう、用意ができました。転移しますか? 」

「うん。お願いするよ」


俺は、サラマー国の王城付近に、ゼロスリーの転移で連れてきてもらった。




◇◇◇




 ミリエナ国では、三国会談の開催で盛り上がっていた。城下では、各国の人々が行き交い、通りの屋台もいつもより、多くの店舗が見受けられ、まるで、お祭りのようだ。


 俺とゼロスリーは、ライン王子の乗る馬車に同行し、ミリエナ国、王宮の正面玄関に着いていた。


「王宮の正面玄関ってこんな風になってたんだぁ」


 いつも裏口から出入りしていたので、正面玄関に来るのは初めてだった。門には豪華な装飾が施され、季節折々の花が一面に咲き誇っていた。


 そんな中で、ゼロスリーは、頭を抱えていた。人の多さと広すぎる場所、それに初めて訪れたという事で、持病の発作が起きたらしい。俺は、フェニックスの涙が入った薬瓶を渡し、ゼロスリーに飲ませた。


 ライン王の到着とともに、事務官筆頭のドリトスが出迎えている。

 馬車から降りる俺の顔を見て、少し微笑んでいた。


 通された部屋は、何時もの応接室ではなく、別の居間だった。ここに入ったのは初めてだが、豪華さは、同じような感じだ。ルアンダ国の獣人達も、もう、到着しているようだ。サツキから、先程、到着を知らせる念話を受け取っていた。


 エルフの民は、まだ、みたいだ。シアンによれば、エルフの転移魔法でここまで来るらしい。魔法を使うのに準備がかかると言っていた。


 俺とゼロスリーは、警備役なので。ライン王の背後に控えていた。ライン王は落ち着かない様子で、お茶を何杯もおかわりしていた。すると、アンリエット王女から念話が入った。


『シロウ様。もう、こちらに参られたのですね』

『はい。今、居間にライン王達と一緒にいます』

『道中ご無事で何よりです』

『お気遣い頂きありがとうございます』

『では、後ほど……』

……[念話終]……


 アンリエット王女は律儀な方だ……


 そう思っていると、今度は、スズネから念話が入った。


『シロウ君』

『スズネ、どうしたの? 』

『エルフの郷にある転移装置がうまく作動しないらしいの』

『そうなのか? 』

『長年、人族のところに転移しなかったせいで、刻まれた魔法文字が風化しちゃったらしいのよ』

『そうなんだ……じゃあ、迎えに行こうか? 』

『そうしてくれる? 』

『わかった。直ぐ行くよ』

……[念話終]……


「ライン王、すみません」

「シロウ殿、どうかなされましたか? 」

「実は、エルフの郷の転移魔法の装置が壊れてしまっているらしく、迎えに来てくれと連絡が入ったのですが、行ってもよろしいでしょうか? 」

「私は、構わないよ」

「ありがとうございます。ゼロスリーは、待っててくれる。ライン王を頼むね」

「畏まりました。メガネをつけているので大丈夫です」


 ゼロスリーは、頭の痛みは治ったらしいが、サングラスをかけてないと、落ち着かないらしい。


 しかし、ドアを開く場所がない。この部屋には、ライン王の他にも、付き添いの者たちが数名いる。


 俺は、アンリエット王女に念話を入れた。


『アンリエット様。何度もすみません』

『シロウ様、どうかなされましたか? 』

『何処かにドアを開ける場所はありますか? エルフの郷の転移装置が故障しているらしく、迎えに行きたいのですが』

『わかりました。何とかします』

……[念話終]……


 随分、忙しそうだった……無理させてしまったみたいだ……


 すると、この居間に、メイド1号が入って来た。俺を見て、ひと睨みしながら


「ライン王、失礼致します。私、第一王女に使えますソランジュと申します。そこのゴミむ……シロウ様に用がございまして参りました。少し、お借りしてもよろしいでしょうか? 」


「これは、アンリエット様の侍女の方ですか。えぇ、構いません。シロウ殿とは先程、その件でお話を伺いましたから」


「ありがとう御座います。では、お借り致します」


 そう言いながら、ひと睨みされ、俺は、メイド1号の後をついていった。辺りに誰もいなくなると、


「このゴミめ! お忙しいアンリエット様に念話を入れるなど以ての外だ! 」

「忙しいのはわかってましたけど、こんな時に1人で王宮を彷徨(うろつ)く訳にも行きませんし」

「わかっている。この部屋を使え」

「ここは? 」

「私の部屋だ。何か文句でも? 」


 その部屋には、アンリエット王女の似顔絵やら、置物がところ狭しと飾ってあった。


「あの〜〜随分、意外なご趣味をお持ちで……」

「あちこち見るでない! ここに貴様を入れたのは、あくまでも緊急事態だからだ! 誰にも言うでないぞ! 言ったらどうなるかわかっているだろう? 」

「言う訳ないじゃないですか。命は惜しいですから……では、失礼して」


【ドア1オープン! 行先、エルフの郷】


 ドアにかけられたプレートの文字がエルフの郷になっているのを確かめ、俺は、ドアを開いた。




◇◇◇



 エルフの郷、族長のテラスにドアを開いた俺は、また、数人のエルフ達に取り囲まれてしまった。そして、俺の顔を見ると、


「なんだ。お前か〜〜こっちだ。ついて来い」


 エルフの戦士なのだろう。強そうな感じの青年だ。


「あの〜〜族長やみんなは何処なのですか? 」


「この先の転移装置のところだ。長らく使ってなかったので、魔法文字が消えてしまったんだ。そう言えば名乗ってなかったな。俺は、ポルガだ。貴様には礼を言わないといけない。ペリンを立ち直させてくれてありがとう……」


「俺はシロウです。特に何もしてないのですが、ペリンさんは自分で頑張ったんですよ。お知り合いなのですか? 」


「あぁ〜〜幼馴染だ。小さい頃からよく一緒に遊んでいた」

「そうでしたか……」


 このポルガってエルフ、ペリンさんの事好きなんじゃないだろうか……?


「ポルガさんも今日、行くのですか? 」

「嫌、族長から郷を頼むと言われてしまった。シロウ……ペリンと族長を頼んだぞ」

「はい。ここに来ている私の知り合いの女性達は凄腕ですから、大丈夫ですよ」

「それは、わかっている。剣の相手をしてもらったからな。確かに人族としては群を抜いてると思う。だが、何だか胸騒ぎがするのだ。森も騒がしいし」


「そうなのですか。わかりました。気をつけて見張っておきます」

「頼んだぞ。ほら、ここだ」


 連れて来てもらった場所は、少し丘になっているところだった。その上に豪華そうな小さな建物があり、そこにみんなはいた。


「あっ、シロウ君が来た」

「シロウはシロウでこんにちは」


 シアンは相変わらずだ……


「シロウ、すまんのう。手入れをするのを忘れておった」

「構いませんよ。帰りもお送りしますから」


「シロウさん。本当に大丈夫でしょうか? 私、何だか不安で……」

「みんなもおりますし、それに、ポルガさんからも頼まれましたから」

「えっ、ポルガがですか……」


「おいおい、シロウ、そんな事、ここで言うな」

「すみません。気が利かなくって」


 ペリンさんはポルガさんを見つめている。もしかして、両思いなのか……?


「では、行きましょう。用意は良いですか? 」


【ドア1オープン 行先 ミリエナ国王都 王宮内 メイド1号の部屋】


 俺は、あの残念趣味の持ち主のメイド1号の部屋にドアを開いた。




◇◇◇



「わぁ〜〜何ですか! いきなり、こんな大人数で! 」


 メイド1号は俺達がドアを展開して乗り込んでくると驚いた様子で慌てて趣味のものを自分の背後に隠した。


「ほ〜〜これが、人族の王宮かい? 随分、個人回りしとるところじゃのう」


「えーーと、このドアのことは、人族の一部の人しか知らないので、こちらの方の協力を得て、この部屋にドアを開かせてもらいました」


「そうじゃったのか。すまんのう。人族のものよ」


「いいえ。こちらこそ。お見苦しいところをお見せしてしまい申し訳ありません。私、この国の第1王女の侍女を務めますソランジュと申します。お見知り置きを」


「儂は、エルフの族長のポロンじゃ。この度は、お招き預かり恐縮であります」


「エルフの族長様ですね。お待ちしておりました。ご案内致しますのでどうぞ、こちらに……」


 ソランジュの部屋からぞろぞろ、俺達は出て行く。


「そうだ。シアン。俺の連れはドラ子の妹分なのだけど、気配を抑える腕輪をさせているけど、もし、目が痛んだらこれ、飲んでくれる。数本渡しておくから」

「明日は、雨、確定。シロウが気配りしている」

「いらないのなら、渡さないよ」

「そんな事はない。貰えるものは貰っておく……ありがとう」

「えっ!? 何か言った? 」

「飴を舐めたいと言った」

「そうなんだ。大丈夫? 頭……」

「平気。平常運転」


……シアンは訳がわからん……


 こうして、三国の他にエルフの民、半魚人族がこのミリエナ国に集まった。


 三国会談は、間も無く始まろうとしている。





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