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セカンドライフは異世界で  作者: 灯台。
幼少期
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間話 クライフ・バーミリオン

 俺は貴族バーミリオン家の長男として生まれる。体格に恵まれ幼い頃から鍛えられてきた。バーミリオン家は火属性魔法を得意とする為俺も教えられた

 

 時には息抜きも必要だと屋敷を抜け出して遊んでいた。他の子と友達になって遊ぶ事を夢見て。


 しかし現実を知る。大人は両親の権力に恐れ小さい子供にペコペコし、子供も両親からあまり関わらないよう言われたのかあからさまに避けられた。どうしたものか。


 その時目に止まった親の権力にすり寄ってくる汚い大人達。だが圧倒的な力を見せれば言う事を聞くのではないだろうか。それからは村の子供に服従を強いる様になる。


 最初は他にいい方法が無いかと考えたが見つからなかった。何より避けられ周りの人が居なくなる感覚は味わいたく無かった。

 

 いいやり方でも無いし本当の友達にはなれない事は分かっていたが周りに人が居てくれる安心感を失いたくはなかった。

 

 村の子供の殆どを服従させた頃には学校に入学していた。そこで1人新顔を見つけた。俺の事を知らないのか奴の目からは俺に対する恐れを感じない。


 何人かに話を聞いてそいつがゲイル・オルコットだと知った。

あまり家から出てこない為俺は見た事が無かったのだろう。まぁいつも通りやるだけだ。


 あまり人目の無い野原へ連れ出しいつもの様に脅すが、やはりゲイルは恐れず対抗してきた。ならば力でねじ伏せるのみだと思ったんだが逆にやられてしまった。


 敗北は許されない。負ければ他の者への威厳が無くなりまた周りから人が去っていくと。

 

 今までが台無しになってしまう絶望感と良心の呵責からゲイルには何故か全てを話せた。


 すると思いもよらない言葉が返ってきた。


「俺が友達になってやる」


 俺や両親を恐れずただ1人のクライフ・バーミリオンとして見てくれたゲイル。長い間欲していた言葉を思いがけずかけられ泣きそうになるがグッとこらえ


「ふっ、偉そうな口聞きやがってしょうがねぇ、なってやるよ」


 俺はようやく本当の友達を得られたのかも知れない。

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