58話 集結
コンコンッ
「入れ」
「失礼します。ゲイル・オルコット、ジュリア・オズウェルトです」
扉の正面には机とその奥に豪華な装飾が施された椅子、それに腰を掛ける男とその周りに左右3人ずつ並んでいた。
何故か前の世界の就職活動での圧迫面接を思い出し嫌な汗が滲む。
「ご苦労、その隊服は 水冷の守護龍 か。随分早かったな。他の部隊の者が到着する迄、暫し休むがいい」
「はい、了解しました」
速やかに部屋を後にする。
今はモーリスへの感情を捨てるんだ。今あいつと争っても得はない。そう言い聞かせて速まる鼓動を落ち着かせる。
自室に戻り一息ついたところで俺はギルドへ向かった。まずは他の部隊について知らない事が多すぎる。ギルド関係者なら詳しい事もある程度は教えてくれるだろう。
聴いた内容をまとめると1番 大地の巨人 が親しまれているらしい。エリートの集まりである六聖騎士の中でも庶民に近い価値観をもつ部隊らしく、横柄な態度は無く国民とも親密との評判らしい。
また1番恐れられているのは 炎獄の番犬 だった。何となくは分かっていたが奴らは悪者には容赦が無く、問答無用で捕縛か最悪殺られるらしい。
その中で俺が1番気になったのは 暗黒の双蛇 だ。他の部隊にはそれなりの情報が得られたが、ここだけは何一つ分からなかった。
誰に聞いても「何をしてるのか分からない、謎の部隊だ」としか言わなかった。
思い起こせば暗黒の双蛇の隊員だけは見かけた事が無かった。各部隊はそれぞれ1つの色を基調とした隊服がある為一目で分かるが、記憶を遡っても駄目だった。
表立って行動出来ない任務を遂行しているのか分からないが、隠密性の高い部隊となれば疑わざるを得ない。少し注意して観察してみるか。
しばらく後・・・
他の部隊が到着するのに時間がかかった為、俺達は防衛任務を手伝っていた。駄目元で門周辺の見張りを志願してみたが案外すんなり通ったのだ。
そのお陰で着々と選ばれた隊員達が王都に到着するのを直に見ることが出来た。
「ゲイル・オルコット、ジュリア・オズウェルト。モーリス様がお呼びだ」
モーリスの部下がやってきた。そりゃそうだ昨日で全部隊が到着したのだから。
「分かりました。ゲイル、行きましょう」
「よし、行こうか。ここからが本番だ」
ある程度目星はつけておいた、後は更に踏み込んでやろう。
「各々良く集まってくれた、感謝する。この特別部隊は魔族に奇襲を仕掛け大打撃を与える為に結成した、その為この様な少数精鋭となった訳だ」
部屋に集められた者は俺達合わせて15人だ。
「更にこのアルバを加えた16人で攻勢に打って出たいと思っている」
モーリスに促され軽く会釈する少年、アルバ。目にかかるまで伸びた銀髪で顔はよく見えなかった。
「私はアルバ以上の感知能力を持った者は知らん、性格は難ありだが実力は保証する」
「では作戦について詳しく話そうか」




