56話 合流
差し込む朝日で目覚めると隣のベッドは空になっていた。俺とレオナードは同じ部屋を使っているが、此処に来てからレオナードが寝ている所を見ていない。
俺より後に眠り、俺より早く目覚めているらしい。確かにこの街の全てをレオナードがまとめているから情報量はとてつもないだろう、それこそ時間が幾らあっても足りないぐらいだ。
しかしそれももうすぐ解決だ。そろそろ1週間経ち、レイラ達が着く頃だ。
ぐぅ~~
「とりあえず腹減った。腹が減っては戦は出来ぬって言うしな」
館のリビングに行くとジュリアや近くを通りがかって手伝ってくれている冒険者達が食事をしていた。その中にレオナードの姿を見つけ隣に座る。
「おはようございます」
「やぁ、おはよう」
明らかに疲労の色が濃いな。
「レイラさん達の到着はもう少しですよね?」
「そろそろの筈だね。それ迄にもう少し体制を整えておきたいが・・・」
成程、分かったぞ。正直に言えば頑張りすぎだと思っていた。余裕を作れる部分はある筈なんだよ、それでもオーバーワーク気味にしてたのはレイラの為か。
この人レイラの事もしかして・・・まぁいいか。
「大丈夫ですか?自分の身体も労わって下さいよ。倒れてしまったら元も子も無いですよ」
「そうよ。レオは頑張りすぎる所があるから心配になるわ」
突然した女性の声の方を向く。まぁレオなんて呼ぶのはあの人だけなんだが。
「レイラさん、いつの間に」
俺達の前にはいつの間にかレイラが立っていた、レオナードは驚きのあまり立ち上がる。
「今着いたところよ、ちなみに他の隊員は既に配置してきたわ。それと街を見させて貰ったけどこの程度の被害で留められてたなんて驚いたわ、頑張ったわね」
レオナードと俺は頭をなでなでされた。自分より小さい子にされると違和感はあるが、この人に褒められるのは嬉しいものだ。
レオナードはさっきまでの疲労は何処に行ったのかってぐらい元気になっていた。
「それで早速で悪いんだけど状況を確認しておきたいわね」
「分かりました、じゃあ部屋に案内します。あっ、ゲイル君も食事を終えたら来てくれよ?」
「はい、分かりました」
食事を終えて部屋に向かう。
コンッコンッ
「失礼します」
2人は机を挟んで情報の共有をしていた。
「丁度いいわ、今大体把握した所よ。で、レオ、3人じゃないと駄目な話って何?」
「それはゲイル君から」
レオナードとのアイコンタクトで話し始める。
「俺は聖騎士の中に魔族側の裏切り者が居ると思ってます」
「えっ、どういう事よ」
レオナードにした様に持論を説明する。
「確かに言われて見たらそうね。それでゲイル君はどうすべきだと思う?」
「見つけ出すには証拠が少なすぎます。なので何が出来るかと言われると・・・」
「そうよね、だからゲイル君は王都に戻りなさい」
「はい?」
「だから王都に戻るのよ。実は六聖騎士各部隊から数名ずつで混合部隊を作るらしいの、それで魔族に打って出るみたいだわ」
「それとこれに関係あります?」
「分からないわ。でもゲイル君が裏切り者だとして防衛拠点と王都だったらどっちに身を置きたい?」
「そりゃ、王都の方が情報は集まって安全性は高いですから・・・あっ、そうか」
「そういう事ね」
こうした戦いでは情報も重要な武器になってくる。相手の状況が分かればそれだけで大幅に有利になる。裏切り者はそれがどうしても欲しいはず、それならどうしても王都に居たいはず。
つまり王都にいた方が裏切り者は見つけやすい。
「分かりました。では王都に向かいます」
「あっ、ジュリアちゃんもね。何となく一緒にいた方がいい気がするの、ただの勘だけどね」
「レイラさんの勘はよく当たるからね」
「はい、じゃあすみませんが此処はお願いします」
「勿論任せてちょうだい。気を付けていってらっしゃい」




