52話 宣戦布告
「何者だ!」
フォーリの側に駆け寄ったモーリスは槍の出処を探す。更に炎聖、水聖、土聖も駆け寄りモーリスへの攻撃を警戒する。
「やぁやぁ、人間の皆さんごきげんよう。私はヘイトリウスと申します」
いつの間にか小さなドラゴンに乗り天井近くから見下ろすヘイトリウスとアビウス。全員の視線が声のした方へと向く。
「どうやって此処に、護衛は何をしている!」
「護衛?あぁ外の奴らか、あの程度で止められると思われては心外だ。話にもならん」
「まぁまぁアビウス、気持ちは分かるけど落ち着いて」
牽制としてロックバレットを放つが容易に弾かれる。やっぱあんなもんじゃ駄目か。
「ゲイル君、今日は戦いに来たわけじゃないんだよ。1つ言っておきたいと思ってね」
「お前達人間は嘗て我ら魔族を退け、今の繁栄を勝ち取った。それは認めよう、だが最近の魔族の虐殺には我々も我慢の限界というもの」
「魔族にもプライドはある、やられっぱなしでは居られない。何もしてない仲間や家族を殺られて黙ってられる奴が何処にいる?」
「アビウス・・」
「あいつは・・エルフの村の生き残りか。やはり確実に消しとくべきだったか」
アルフレッドはアビウスを思い出したようだ。しかしその考え方が今の状況を作ってる事に気づいてくれ。
「そこで我々もやり返す事にした。魔族が生き残るにはあなた達人間が邪魔なんです。なので皆さんには死んでもらいます」
「ふっ、そんな事出来るものか」
「炎聖は強気ですね、ですが現に目の前で国王が殺されていますよ?あなた達は何も出来ずに、そうでしょう?」
「まぁいいでしょう、そうして嘗めてるといいですよ。直ぐに各地で魔族が動き出しますその時に慌てふためくあなた達を見ていますから」
モーリスが立ち上がりヘイトリウスへ問いかける。
「即ちこれは第2次人魔大戦への宣戦布告という事でいいな?」
「ええ、そうです」
「ならこっちにも考えはあるさ、迎え撃ってやる」
「ではこのぐらいで失礼しないといつまでもここに居ては私達が殺られてしまいますので、さようなら」
割れたステンドグラスからヘイトリウスとアビウス飛び去って行く。
戴冠式での王子の殺害、突然の人魔大戦の宣戦布告、隊員達は理解出来ず狼狽えている。
遂にこの時が来てしまった。




