42話 帰還と思いきや
2日後
リリィの城で休息を取らせてもらったが、そろそろ報告に戻らないとまずいだろうという話になった。
門の前でリリィに最後の挨拶を済ませる。
「それでは、お世話になりました。また何かあれば何でも言ってください」
「そう言ってもらえると嬉しいわ、でもそれはこっちも同じだから。ね、ダリル」
後ろの門にもたれかかって居たダリルに振り返る。
「おぅ、任せろ。すぐに駆けつけてやる」
「あら、今日は素直ね。お別れだからかしら?」
「うるさいぞ、ジュリア。そんなんじゃねぇ」
ジュリアがダリルをいじるのはいつもの事になった。
「それとこれが例の書状ね。これで分かってもらえると助かるんだけど」
「ありがとうございます。後は俺達で説明しますんで任せてください」
リリィには今回の件に対した謝罪と今後一切危害を加えない事を記した書状をブルトハーゲルの領主宛に書いてもらった。
「それでは失礼します。ダリル、待たな」
手を振ると向こうも手を上げて返してくれた。
ブルトハーゲル領主の館へ着くと、再び部屋へ通され10分程度待たされ
「お待たせしました。それでどうなりました?」
「こちらがヴァンパイアロード・リリィに交わして貰いました書状です」
「なるほど、かのヴァンパイアがこの様な態度を取るとは驚きですな。しかし必ず守るという保証は・・・」
そう簡単に信用しろと言うのも無理な話だ。
「気持ちはわかります。しかし、リリィの方はとても我々人間と親密な関係を望んでます。今回は内部の分裂で起こった事件ですが、今後は大丈夫と思います」
「仮にもし何かあればまた俺達に言って下さい」
「そう・・・ですな、わかりました。これで今回は和解したという事で」
何とか領主に理解してもらえた。
レイラへの報告もあるので早速王都へ向かう。
1ヶ月後
水冷の守護龍の拠点へ入り早速レイラに報告を済ませようとするがなにか騒がしい。
「あの・・・レイラさん?」
「あら、ゲイル君とジュリアちゃん。おかえりなさい」
「ただ今戻りました。ところでなにかあったんですか?」
「そうなのよ。他の任務に出てる1人から救援要請を受けたんだけど急を要するみたいなの」
レイラが手に持っている水晶体に目が止まる。
「ちなみにそれは?」
「これは魔導具よ。光魔法を応用して遠く離れた場所と情報交換出来るの。これで連絡が来たのよ」
すごい。そんな物まで作れるのか。
「でも、見て分かる通り今居るのは私だけなの。でも私は気軽に王都を離れられないし・・」
これは俺達で行くしかないだろう。
「なら俺達しか居ませんね。その人は何処に居るんですか?」
「今戻ったのに悪いわよ」
「でも仲間が助けを求めてるのに休んでなんか居られない、そうよねゲイル?」
「そういう事です」
「じゃあ、申し訳ないけど頼めるかしら」
王都の滞在時間1時間で再び旅立った。




