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セカンドライフは異世界で  作者: 灯台。
青年期 六聖騎士編
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38話 追跡

 ヴァンパイアロードを名乗るリリィが王座につく。

「さて、早速聞かせて欲しいわ。ヴァンパイアが人間を襲ってるのは真実なの?」

「恐らく、ですね。その確認に尋ねたんですが、その感じですと知らないんですか?」

 ここに来て門番らしき人にも説明した時もそうだが、有り得ないことの様な態度だし。


「そうね、私達は30年前に交わした人間を襲わない約束を固く守っているの。だから襲うはずなんて無いし、分かるのよ。人の血を吸った者は匂いが違うから」

「それなら・・・」

「ただ、心当たりが無いわけじゃないの」


「3ヶ月程前に私の倅が何人かのヴァンパイアを連れてこの城を出て行ったのよ。もしかしたらその子達の仕業かも知れないわね」


 ちょっと確認してもらうか

「実はこちらが先日襲って来たヴァンパイアが手に着けていた装飾品ですが、その・・リリィさんと同じものでは無いですか?」

 バックから指輪を取り出す。血の様に紅いルビーが使われた物だ、今まさに目の前のリリィが着けている物と同じに見える。


「それは・・そうね。その時出会った者は私の倅、ダリルで間違いないわ。私がかつて贈った物だから」

「やはりそうですか。ちなみに今何処に居るか分かりますか?」

「ごめんなさい、分からないわ」


「ところで、あなた達はやはりダリル達を滅ぼすつもりなの?」

「なんとも言えません。リリィさんの様に良好な関係を作ってくれるようなら必要無いですが、恐らくは・・・」

「無理でしょうね。だから此処から出て行ったのだから」


「何があったのですか?」

「さっきも言った様に30年前に訪れた聖騎士の中に、六聖騎士(ヘキサオルデン)と名乗る者達が居て、何人ものヴァンパイアが滅ぼされたの。その時のヴァンパイアロードが、人は侮っていい存在では無くなった、と言い約束を交わしたの」


「だけど皆が直ぐに納得出来るわけでは無かった。人間如きが、なんて考え方をする者は消えなかったわ。それでも反対派を抑制出来ていたのは前のヴァンパイアロードの力だったのかも知れないわね」

「私に継承されてから抑制出来なくなっていったわ。そこにダリルというリーダーが現れたらそれは巨大な勢力になったわ。でも私の甘さが出たのね、その時にダリルをこの手で止めておけばこんな事には・・・」


 悔しそうな、哀しそうななんとも言えない表情のリリィ。確かにヴァンパイアのような力を持った魔族にとって人間なんて下等な存在だろう。

 しかし皆がそうではない。上には上がいる事を教えてやろう、俺が。


「分かりました。俺達としても魔族とは良好な関係を続けたいと思ってます。なのでダリルさんを説得してみたいと思います。少し痛い目を見てもらうと思いますが」

「私がするべきなのでしょうけど、お願いできるかしら。目を覚まさせて欲しいの」


 リリィの城を後にする。

「さて、あぁは言ったもののどうやって見つけ出そうかしら、何かあるゲイル?」

「そこは任せてくれ」


 さっきリリィに見せたダリルの指輪を取り出し、それを握りしめ集中する。

 身に着けた物にはその人の魔力が染み込む事が多い。それが武器であれば馴染むという事になる。魔力は人それぞれ少しずつ違うので感知魔法に魔力のイメージを織り込めば個人の発見なんて簡単だ。と言っても実際やるのはワイズだけどな。


 何処に居るか分からないから大規模な感知魔法を展開する。此処からブルトハーゲル迄届く程の範囲だ。


「良し、わかった。此処から南東に4日くらいの位置だな」

「さすがゲイルね、早速向かいましょう」


 よし、次こそはダリルとまともに話が出来ればいいんだが。

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