35話 任務
「さっきはごめんね、誰も居ないと思ってたからだらしない格好で。さぁ座って」
レイラと向かい合い席に着く。今のレイラは先程とは違い、髪は綺麗に梳かれてツインテールで結ばれていた。服は蒼色のローブに着替えている。
というのも出会って直ぐにバトラと言う女性が現れ、連れ去られた。暫くして戻って来て今に至る。恐らく彼女によって身支度を整えられたのだろう。彼女がレイラの御目付け役と言った所か。
「どうも。1つ聞きたいんですがどうして俺達は選ばれたんですか?」
俺達が此処 水冷の守護龍に名指しされた見当が全くつかないんだ。
「それは私達と一緒だと思ったのよ」
「どういう事ですか」
「ゲイル君の事はアルフレッドに色々聞いてるの、出会った時の事とかね。エルフの村での任務から帰ってきたあいつの雰囲気が違ったから何があったのか聞き出したの。そしたら魔族に肩入れする子供に出会ったって言うじゃない、しかも六聖騎士を相手に余裕だなんて。そんな強さを持った擁護派は引き入れるしかないわよ」
「つまり、レイラさんも?」
「そうね、私含め此処の皆が擁護派よ。数は少ないけど皆強いんだから」
「でも、俺アルフレッドさんに目を付けられてますからあまり派手に動くとどうなるか・・・」
「そこは安心して、私が守ってあげるから。大船に乗った気分で居ていいわよ」
小さな胸を張り出して自信満々に言うレイラ。さっきとは違いどこか安心して頼れそうな気がしてきたが、やはり少し心許ない気がする。
「わかりました。具体的にどんな事をしたらいいですか?」
「聖騎士の多くは教会からの任務をこなしていくの。私達も例外じゃないわ、けど私達には別の任務も回ってくるわ。それが魔族に関するものね、こっちは内密に通達が来るの」
「もしかして教会の中にも擁護派の人は居るんですか?」
「そうよ。1番の権力者で言えば法を司る立場にあるブルーノ・ローランドね。ブルーノから情報や任務が回ってくるの。ただ今の王は排斥派だから大きく動けないけどもう少しで変わるはずだって言ってたわ」
「体調でも悪いんですか?」
「そんな話は聞かないけど、王も80歳だから継承者を考えてるのかもね」
だといいんだが。まさかクーデターなんて企んでないだろうな。ブルーノという人にも1度会ってみたいな。
「それでちょっと急にはなるんだけど1つ任務があるから向かって欲しいのよ。これは魔族に関する事ね。北の大地である魔物による被害が多発してるからその原因を調べて来て欲しいのよ。その魔物と共存出来るならそうして欲しいんだけど、無理なら・・・」
「仕方ないけど戦うしかないって事ですね」
「そういう事ね」
早速任務が与えられた。北には初めて行くが、どんな感じかワクワクするな。どんな魔物かも気になるしとにかく任務をこなしてモーリスに近付くチャンスを伺うしかないな。
「分かりました、では早速向かいます」
「ふふっ、やる気なのはいいけど今日は疲れたでしょう?今日は休んで明日からに備えなさい」
「望む隊員は此処で生活してるけどあなた達はどうする?」
なんと、此処に住まわせてくれるのか。大きな問題として王都で暮らす上で家をどうするかってのがあったんだ。何処にしようか決めてないから後で探さないとと思ってたんだがこれで解決だ。
「いいんですか、それならお世話になりたいです」
「そうね私もお願いしたいわ」
「じゃあ、これで私達は家族の様なものね。改めてよろしくねゲイル君とジュリアちゃん」




