34話 水冷の守護龍
しばらくしてリング上に集まると既にアルフレッドはステージ上に待っていた。
「良し、これで全員揃ったな。名を呼んでいく、呼ばれた者は前へ出ろ」
次々と名が呼ばれていくが多くは2次を勝ち残った者だ。それなら俺達も呼ばれるだろう。
「・・・ジュリア・オズウェルト、ゲイル・オルコット」
遂に俺達の名が呼ばれる。前へ進み列に並ぶ、俺で20人目だった。中にはマッドの姿もあった。
「以上20名を我がアルステリア教会の聖騎士となる事を認める」
呼ばれなかった者達は去っていく。非情な様だがしょうがないここは実力がものを言う場所だ。
その後アルフレッドにより所属する部隊を割り振られた。聖騎士と言っても2種類あるらしい。一般的な聖騎士とはモーリスが指揮する部隊でそれとは別に六聖将が指揮する部隊、六聖騎士と分けられるらしい。
六聖騎士は所謂エリートで選ばれるのは難しいが稀に六聖将に認められ声を掛けられることもあるらしい。モーリスの命令は聞くが独立した部隊として結構自由にしているらしい。
しかし俺達の目的はモーリスだ。ならば聖騎士としての方が都合が良い。その方がモーリスに近づきやすいってもんだ。
「特別に3名六聖騎士への所属を認める。まずマッドお前は我が炎獄の番犬へ。そしてゲイル、ジュリア2名は水冷の守護龍の所属となる。
俺からは以上だ。後は各々所属部隊の所へ行ってくれ」
ちょっと待て、何でまた六聖騎士になんてなっちまうんだ。簡単にはいかせてくれないな。
「モーリスに近付くには聖騎士の方が都合が良かったんだがな」
「そうね、でも六聖騎士でも何とか出来るわよ」
ジュリアと今後について話していると
「六聖騎士になって文句言うとは初めてだぜ」
気付けば近くにアルフレッドが居た。ヤバイ、聞かれたか?
「何が不満か分からんがお前らは水聖からのご指名だ。あいつは何考えてるか俺にはわからん。
時に小僧お前はエルフの村に居た奴だな?何故ここに居る」
覚えてやがったか。疑われると厄介だからな適当に理由を作っておこう。
「覚えてたんですね。大事な物を守れる力が欲しくて、貴方に勝てるぐらいね」
「まぁいいか、だがあの時の様に考えが変わってなければ・・分かっているな。心しておけよ」
つまり魔族に肩入れしすぎるとどうなるか・・・ってわざわざ釘をさしに来たわけだ。
「分かってますよ。ご忠告ありがとうございます」
アルフレッドと別れ俺とジュリアは水冷の守護龍の拠点にやって来た。教会の本部は王城の側にあり聖騎士は其処を拠点にしているが、六聖騎士は違った。王都の中なら好きな所に作れるらしい。ここの見た感じはギルドの様だ。
「すいません、本日よりこちらに所属となりましたゲイル・オルコットです」
「同じくジュリア・オズウェルトです」
中もギルドそのままだった、カウンターや周りの席に誰も居ない事を除けば。
「あれ、皆出払ってるのか?」
「そうなのかしら、緊張して損したわ」
キョロキョロと辺りを見回していると奥の方から足音が近づいてくる。
「ふわぁ、よく寝たわ。何か食べ物無いかしら」
くしゃくしゃに寝癖がついた水色の髪をそのままに水玉のパジャマ姿の少女がカウンター奥で何かを探していた。
「あの・・・」
「あなた達はどなた?」
「本日よりこちらに所属になりましたゲイル・オルコットです」
「同じくジュリア・オズウェルトです」
さっきと同じ挨拶をする。
「あっ、あなた達がゲイル君とジュリアちゃんね。ごめんなさいほかの皆は任務で今居ないの」
皆が任務に出てるのにこの子は何をしてるんだ。
「あの、すみませんが貴方は?」
「ごめんなさい自己紹介まだだったわね。こんな格好だけど私が水冷の守護龍のリーダー、水聖のレイラよ。よろしくね」
こんな小さな子が水聖だって?リーダーが寝癖にパジャマ姿って、締まらないな。




