13話 依頼
日が昇ると同時に目覚め、寝室を出た。ジュリアはまだ寝ている為静かに家を出る。
習慣となっているトレーニングを始める。まずは10キロのランニングを行い街の外れに向かう。そこからは筋トレを行う。とは言えあまりハードではないのでムキムキな体と言うわけでもない、鍛えすぎれば動きが鈍くなる。
纏気はかけ算の様な物で通常を1とするならば10になり、基礎となる部分を鍛えればより強くなるのだ。なので毎日のトレーニングは欠かさない。
いい汗をかいた所で魔法の鍛錬も行う。最近は複数の魔法を掛け合わせた新たな魔法が出来たりしないかと考えてはいるが上手くいかない。そんなこんなで3時間たった頃ジュリアの家へ。
風呂を借りてさっぱりして出てくると香ばしいパンの匂いとスープの香りが誘惑し、腹の虫が騒ぎ出した。リビングへ行き
「ジュリア、おはよう」
「あっ、おはようゲイル。朝食出来たよ」
エプロンをつけたジュリアがキッチンに立っていた。まるで夫婦の様な生活に喜びを感じていた。こんな嫁さん欲しいな。
席につき食べ始め、空腹は最高のスパイスとなり食事の手を止める事は無かった。これでコーヒーがあれば最高だったんだが、この世界には存在しない。一息つくと
「そろそろギルドに行きましょうか?」
「そうだね、ガンガン依頼をこなしてお金を稼がなきゃな」
支度をしてジュリアと共にギルドへ向かう。
まずはパーティーを作る。受付に行き手続きを行いパーティー名を『オルタナ』とするとギルドカードに パーティー オルタナ F と追加されていたパーティーランクは所属メンバーのランクを総合してつけられるらしい。
掲示板の前で丁度いい依頼を探す。依頼にもランクはあり、自分のランクもしくはパーティーランクの1つ上のランクまでしか受けられない。その為今俺達が受けられるのはEとFのみだ。
依頼内容はペットさがしなど簡単な依頼で、報酬も低いがランクが上がるまでの辛抱だ。ふとゴブリン討伐の依頼書を見つける。そこには 必須 討伐証明と書かれており
「ジュリア、討伐証明って何?」
「それは討伐した魔物の一部分を持ち帰って認めてもらうの。例えば耳や角とか」
角はまだいいが耳を切り取るのはえぐいな。そう考えるとジュリアには悪いことしたな。出会った時は緊急だったとは言えゴブリンを焼き尽くしてしまって。
「人の手柄を自分のモノになんて出来ないわよ」
とジュリアには言われた、真面目でいい子だな。
数をこなさなければランクが上がらないため、日に3〜4つの依頼を受けていった。ペット探しはフォトンシークで街全体を探知すると簡単に成功し、討伐は俺が魔法により最低限の援護を行いジュリアが前衛で戦闘と言う形で次々と成功させていった。
ジュリアの動きは悪くなかった。俺の援護を必要とする場合は少なくなぜゴブリンに手こずっていたのか疑問に思う程だ。
それから1ヶ月した頃にはDランクに上がっていた