街の教会2
「ここは…」
真っ暗な空間いる。
「確か街の教会で…」
こんな何も無い空間にいるということはおそらく夢だろう、真っ黒な空間で自分がちゃんと地面に足がついてるかもわからない。
「ヤっと眠っタか」
いきなり目の前から声が聞こえてきた、しかしその声を発したであろう人物は見えない。
「あなたは、誰ですか?」
「誰でスか、カ…じゃア答エなイ」
「そんな!」
「冗談だヨ、私ハ私だ」
声の主は軽々しく言う。
「私ってどういう…」
「まアまア良いじゃナいかソんなコとは重要ジゃなイんだヨ」
「はぁ…あなたが私を悪魔にしたのですが?」
「いヤ、私ハ何もシてなイよ、ナンにもね」
「じゃあここは何処なんですか?」
「さぁオ前の夢ノ中じゃネ」
どうやら声の主にもわからないらしい。
「あなたもわからないのですか?」
「あーうン詳しクわかラん」
「じゃあここから出る方法がわからないのですか?」
「さァ、そのウち目覚めルんじゃナいノ?」
「適当ですね…」
「あァ、そウだナ…オ、もうスぐ目が覚めルみたいダ」
なんのことだと反論する前に目が覚めてしまった。
「おはよう…といってももうこんばんわのお時間だけどね」
ベットから起き上がると傍に街のシスターが座っていた。
「ああ、ありがとうございます…」
「で、その羽について説明はしてくれるの」
シスターさんが振り返ると真っ黒の翼が広がっていた。
「え!、ああ、えええっとこれはぁぁ」
「落ち着きなさいな、はいお水」
懐から水筒を取り出してシスターさんに渡す。
「ありがとうございます、これは炭酸ですか?」
「いえ、ただの聖水よ、川の水を清めただけの水よ炭酸なんて入って無いわ」
「え…でも」
「まぁでも普通の悪魔なら水に触れるだけで消滅するわ」
「そんな…」
「あなたが寝ている時に羽に聖水をつけてみたら何も起こらなかったわ」
「えぇ!、いつの間に!」
慌てて翼を確認するが特に変わった所はない。
「一応完全に悪魔になったって訳じゃあないみたいね」
「はい…自分も気がついたらこの姿になっていて私にも何がなんだか…」
「ふむ…とにかくこのままでは私にはどうすることもできないから本部の所に行くしかないだろうな」
「そうみたいですね」
「とにかく報告はしておくから貴女は朝一の馬車に乗りなさい」
「はい、ありがとうございます」
「とにかく貴女はもう寝なさい」
再び眠りについたがさっきの奴は出てこないまま朝を迎えた。
「おはようございます」
「よく眠れたかい?」
「何とか眠れました」
「朝一だからお祈りはいいから早く行きな」
「はい、お世話になりました」
「ああ、とりあえずコレを持っていきなさい」
小さな包を渡される。
「これは?」
「朝食だよ道中で食べたらいいよ」
「ありがとうございます、それでは行ってきます」
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