街の教会
街の中は村とは比べられないほどの活気があり沢山の人や人種がいる。
以前のシスターさんなら祭りなどは大好きだったのではしゃいでいたかもしれない。
しかし、今のシスターさんにはこの人ごみを鬱陶しいと感じてしまった。
好みも変わってしまい自分に嫌悪しながら街の教会を目指す。
街の教会の場所はほぼ中心にあり大きな時計塔が目立つ。
「あっちですか…」
シスターは立派な職であり戦闘能力も高い、いくらシスターさんが街中をキョロキョロしながら物珍しそうに進んでいて田舎者丸出しで無防備そうでも修道服を着ているだけでナンパしようと思うバカはこの国にはいない。
不思議とシスターさんを周りに空間ができているが根が田舎者のシスターさんにはよけられていることをわかっていなかった。
「街の教会は立派ですね」
シスターさんが街の教会の目の前についた時に時計塔にある鐘が鳴る。
「…っ!」
鐘の音が鳴る度にシスターさんに頭を殴られたような頭痛が襲う。
鐘が鳴り終わってから教会の中に入る。
「こんな時期にどうしたんですか?」
「…至急報告しなければならない事がありまして」
「それなら使いなどを出せばいいのではないのですか?」
「使いすら出せない状況にあり、私が出る事になりました、私が派遣されていた村が全滅しました」
「それであなただけが逃げ切れた、と」
「逃げた、というよりも私だけ助かったという感じです、悪魔らしき人物に村が襲撃され、私以外は皆……死んでしまいました、昨日のことです」
「そんな事が…それで本部に報告するために一度此処に来たということですね」
「はい…」
「わかりました、報告は私の方からしておきます」
「ありがとうございます、では私はこのあとどうしたらいいのでしょう?」
「それも含めて明日に知らせます、あなたは今日の所はここで休みなさい」
「わかりました…」
言い終わると同時にシスターさんは倒れてしまった。
「…っ!?、これは!」
シスターさんが倒れたことによって背中から真っ黒な翼が生えてくる。
街のシスターは周囲に人がいないのを確認してシスターさんを素早く自室まで運ぶ。
「これは…ただ事ではありませんね」
ひとまず本部に連絡を入れ返信を待つことにする、さらに使いを出し、シスターさんがいた村が今どうなっているか確認させに向かわせる。
「全く、厄介な事に巻き込ませてしまいましたね」
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