二度目の帝国
翌日になりシスターさん達は素早く朝食を済ませ、帝国行きの朝一の馬車に乗り込む。
「というか別に朝一で行く必要は無いんじゃ…」
マイクも流石に疲れたのか声に迫力がない。
「嫌な事はさっさと片付けましょう」
しかしシスターさんにはマイクの疲労が解らなかった、マイクを把握する方法としては、なんとなく距離感が近い人かカザリと話をしている人で判断している。
「そういう事よ、原因があそこしかないんだから行くしかないでしょ」
「いやぁ、まぁ…馬車にいるだけなんで休めるから徒歩よりマシ…なんですけどね」
「徒歩とかどれだけ時間の無駄になることか…」
溜息つき他の客の目を気にせずに楽な体勢にする。
沈黙がしばらく続き、そのまま帝国に到着してしまった。
「ついについてしまった…」
本当ならば3人とも来たくはなかったが、手がかりがこの場所にしか無いため、いやいや帝国にやってきた。
時刻はおおよそ昼を少しすぎ頃で、人の波が疎らである。
「…とりえず、教会にいきましょうか?」
とりあえず帝国に来たものの、どこへ行けば良いか解らないがシスターさんの提案で教会に行くことになった。
教会についたものの、一般人扱いされ、適当にあしらわれてしまい、途方にくれてしまった。
シスターさんは人の顔を判別できないため以前来たときの知り合いを見つける事ができず、マイクも裏方の人間なのでもちろん知り合いをいなかった。
資金も贅沢をしなければ数日はそこそこのランクの宿に宿泊できるのでマイクなどはそこまで慌てた様子は無かった。
カザリがマイクを掴みかかる。
「あんたとりあえず、2日時間上げるから、情報集めてきなさい、あんたの得意分野でしょう?」
身長差があるためマイクが捕まれにいっている感じである。
「いや、でも自分下っ端っすよ?」
「知ってるわよ、私たちに捕まっているのが良い証拠ね」
「ヒデェ…へいへい行ってきますよー」
マイクは諦めたようにどこかへ去っていった、猫背なのがどこか哀愁がある、そんな感じのポーズをとって同情をさそうとしたが2人は既に泊まる宿を吟味していた。
楽しそうにカザリとシスターさんが談笑しているが、マイクへの注意は怠っていなかったため、逃げる事ができそうに無かった。
「下っ端で新人でツテなんて全然ない僕はどうすればいいんだよ…」
いきなりマイクの肩に手が置かれ、裏路地に引き寄せられる、カザリ達がいきなり気配が消えたが特に気にずる事は無かった。
「あれ、先輩?」
マイクを引き込んだのは裏方の先輩だった。
「久しぶりだね、たしか配属はココじゃないよね…、ああなるほど」
「先輩一人で解決しないで下さいよ」
「ごめんごめん、えぇっと情報が欲しいんだよね?」
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