手紙の行先
「もうすぐ到着だぜー、荷物はそろそろまとめた方が…って大丈夫か」
「あぁ、おはようございます」
「おう、途中で超珍しく盗賊にあったが問題なかったぜ」
「そんな事が、加勢できずにすいません」
「お客さんだから別にシスターだからって加勢はしなくても問題ないぜ」
「ありがとうございます、もうすぐ到着だそうですよ」
シスターさんが熟睡しているマイク揺り起こす。
「ジュル…ふえ、あぁ、おはようございます」
顔の右側に大きな床の跡がついているが無理やり起きる、一瞬で覚醒できるようで改めて一般人ではないと思える。
「あの検問を過ぎたら停留所だから、そこまでだ、もし時間が無かったらココで降りても問題ないぜ」
「それでは我々はココで降りますね」
「おう、次も使ってくれよ」
「はい、ありがとうございます」
馬車から降りた3人が検問を難なく潜り抜けて街の中に入り、乗ってきた馬車を後ろから追いかける、乗客がいないため、停留所にいる人と軽く会釈してから建物の中に入っていった。
「手紙?、書類系統はここにはきてませんよ」
「そうですかありがとうございます…ないそうです」
マイクが聞きに行ったがシスターさんが乗った馬車には手紙といった類の物は無かったようだ。
「あれぇ…おかしいなー」
「考えるとすると私達が寝ている間に手紙が別の場所に行ったとかですかね?」
「みんな寝ていたんだよね」
カザリの視線がマイクに刺さる。
「一晩中起きてろってことですかぁ」
「当たり前よ、何勝手に寝てるのよ」
「いやいやいやいやいやいやおかしいでしょ、労働基準法違反ですよ、時間外手当とか出してくれるんですか?!」
「上に申請すれば?」
「どうせ受理してくれませんよー」
「申請はめんどうくさいですよねー、私も結構手間かかりましたし」
「とりあえずお前の落ち度ね」
「ひでぇ、兎に角ここから行く荷物行く先を聞いてきますよ」
「え、聞いてなかったの?」
「きいてきましたよ、今さっきの馬車の荷物は帝国にいくそうですよ」
「「うわぁ」」
ふたりが露骨に嫌な顔をしている。
「手がかりがそこしかないんですから」
「乗り気になれないけど仕方ないか」
「私もできれば行きたくないですけど、仕方ありませんね」
「私も嫌ですよ、うわーぜったい知り合いに、「あれ、今日平日だよね仕事は?」って聞かれるよぉ、一応働いているんだよぉ」
マイクが項垂れているのを見て、
「よし、帝国に行こう!」
カザリが突然やる気をだした。
「なんでぇ、さっきまで癒そうだったじゃぁあないですかぁ」
「このままだったら意味ないし前に進まないと」
「変な所で良い事言うのやめてくださよぁ」
いやいやながらもテキパキと手配をすませ帝国の馬車を用意したようだ。
「なんとか明日朝一のとれましたよ」
「ねぇ、私たちの手持ちで一泊って出来ると思う?」
「え、まさかカザリちゃん?」
「まぁ、普通に空いていれば出来るけどね」
「恐ろしい冗談はやめて下さいよぉ」
「え、帝国に来ているの?」
「みたいですよ、今朝手配したみたいです」
「ええぇ、今ぁ」
「しょうがないよぉ、誰か誘導してるわけじゃないしぃ」
「ええぇい、覚悟を決めてやる」
「何あいつ等?」
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