実は知っていた
「カザリちゃん、とりあえず鼻血拭こうね」
「えぇ…ホントだ」
鼻に触れてから自分の手を確認すると血が付いておりカザリは慌ててふき取る。
「とにかく解ったよ、全部」
「全部…ですか、その本には私の事が書いてあったのですか?」
「日記じゃないんだからそういうのは載ってないよ、でももしここに書いてあることが全部本当なら、シスターさんがどうやってそんな状態になったか解るよ」
「えぇ…」
「あ、ちょっとまっててね」
「あ、ちょっとってえぇ…」
突然カザリは思いついたように突然部屋を出て行った。
「つれてきたよー」
「いたいいたいいたいったいって」
カザリがどこからか誰かをつれてきた。
「えーっとぉ、どちらさんで?」
「なんかいつも付け回してメモとってて多分なにか知ってると思って連れてきた」
「えぇええっ、なんで知ってたのぉ!」
「えだって私の事を観察して記録つけるかかりでしょ?、前もいたじゃん」
「私達ってバレバレだったのね…」
「あのー…私は気づきませんでしたよ?」
「そんな微妙な慰めはいらないですよ、貴女だってたまにこっちをちょくちょく見てたじゃないですか!」
「あ、貴方でしたの?」
「やっぱりバレバレだったんだぁ」
カザリに捕まえた人間は最初は抵抗していたが次第に抵抗するのを辞めていった。
「で、聞きたい事ってなんです、末端の私じゃあ大した事はしりませんけどぉ?」
「じゃあ、貴方のが制作した物はどこに送っているのですか?」
「あぁ、うんそうだよね、そっちよね…私の作った書類云々ね、そんなの知らな」
「知らないわけじゃあないよね」
カザリが首を掴みながら人間にせまる、カザリの手がそこまで大きくないのでしっかりとは掴み切れていない。
「本当だって、私はいつも街の正門の伝令箱に入れてるだけだし、私の仕事はそれだけだし」
「うわー使えない」
カザリが興味を失ったように人間を放り投げる。
「使えないって使えないってなんなんですか…」
いきなり丸くなってぶつぶつと呟きだした。
「あのー…」
シスターさんが肩をゆするが反応はなかった。
「とりあえずこの人がだした封筒の行方を追ってみようよ」
「そうですね」
二人は丸くなっている人間を無視して正門へ向かった。
「…ふぅ、あーバレバレって普通にやなんだけどなぁ、報告どうしよ、とりあえず堂々と後ろからついていきますか」
取り残された人間はそのまま2人の後についていった。
「え、今日の荷物?、それだったら夕方に閉めて翌朝にまとめて発送だな」
「そうですかありがとうございます」
「いいってことよ」
街の正門前で郵便の荷物を管理している人に聞いてみるとシスターさん達を観察して報告している荷物は今日は出していないようなのでここには無いだろう。
「じゃあ私がお手紙書くからそれだしてね」
カザリちゃんが見た事ないような悪い顔をして監視していた人間にせまる。
「誰が書とか内容とか特に指定してないんで大丈夫じゃないかなー」
「じゃあ後で私が書くから今日は帰ろうか、それで明日はそれを追跡していこう」
「お、おー、カザリちゃんすごくやる気ですね」
「そうだね、ようやく復讐できそうだし」
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