正式な依頼
カザリがシスターさんと一緒に暮らすようになってから数日。
「いつもはそっちから来るから知らせるを遅くなってしまったよ」
いつも通り屋台で昼食をとっていると修道服を着た人がやってきた。
「どうしたのですですか?」
「カザリちゃんの正式な保護?の依頼ね、というかよく中央から指名で依頼なんてもらえるわね、ここ数年間でそんな大仕事は本当に無いわよ」
「中央?」
「帝国の所からですよ、すっごぉぉくたまに来るんですよ、まぁ大した依頼じゃないんですけどね」
大声で言いづらいのか一度周囲を見回し少し声を小さくして話す。
「え…」
「やっぱりそんな所から来ると驚きよねぇ」
「え、カザリちゃんの依頼が帝国の…」
「そうよねー、やっぱりどこかのご令嬢なのよ、私もなんだか普通と雰囲気が違うなーって思っていたのよ」
「そうですね、わざわざありがとうございます」
「いいのよ」
そう言って足取り軽やかに教会に帰って行った。
とりあえず今食べかけの昼食やや強引に押し込み既に食べ終わってるカザリを連れていつも寝泊りしている教会の部屋に戻る。
「カザリちゃん」
「え、ぁハイ」
いつになく真剣な表情に思わず身を固くする。
「カザリちゃんが復活?した時ってもしかして教会にいました?」
「…え、えぇっとぉ教会かどうかわからないけどなんか息苦しい感じはした…かな」
「息苦しい、ですか…、他に何かありますか?」
「ほ、他はぁ…ふぇぇっとぉぉ地下だった事ぐらししか…」
「地下…」
シスターさんは俯き深く考え込む。
「ちょっと行ってみますか」
いきなりシスターさんが立ち上がる。
「え、どこに?」
「まずは資料集めです」
いきなり出たやる気の勢いのままに教会の書庫へ向かった。
「えーっと…」
まるで嵐が過ぎ去ったかのようにポツンとカザリは取り残された。
「あのーいいですか」
まずは事務仕事をシスターの所にいく。
「ん、こんな時間に珍しいですね、どうしたのですか?」
「えっと書庫の閲覧の許可を貰いにきました」
「ほほう、この教会に来て初めてですね、貴女はたしか上級までの閲覧が許可されていますのでそこまでならいいですよ、それ以上は理由がないと許可できないよ」
「ありがとうございます」
「あ、閲覧終わったら一応私に報告下さいね、ちゃんと管理してないといけないので」
「わかりました」
そういえば書庫に入るのはずいぶん久しぶりだなと思い本の背表紙のタイトルを斜めに読み飛ばしながら知りたい情報の乗ってそうな本を探していく。
本や知識などは基本的に教会で管理しているので調べものするときは大きな教会に寄っている、しかし見れる情報に階級が分かれており教会以外の人間は基本的に簡単な事しか記されていない簡易棚しか閲覧が許可されていない。
閲覧ありがとうございました。




