遺跡調査とはなんだったのか
「何故か復活しました!」
満面の笑みでシスターさんに向かう。
「え、あの…大丈夫、ですか?」
さっきまでの緊張感からのいきなりのカザリの登場で混乱してしまい変な事を聞いてしまう。
「うん、大丈夫だよ、何か知らないけど気が付いたら変な所にいたの!」
「変な所?」
「うん、なんでか地下にいた」
「地下、ですか?」
カザリちゃんを観察するように指示していた組織は地下にあったのかと考えていた。
「うん、でとりあえずなんか嫌な感じがしたから抜け出してでもどうしたらいいかわからなかったからとりあえずシスターさんの所に来たの!」
「とりあえずって…」
「だって帰る所なくなってたし」
「あのお屋敷がですか?!」
「うん、何かきれいさっぱり無くなってた」
そんな事はどうでも良いかのように元気よく答える。
「無くなってたって、えぇ…」
カザリの言葉に戸惑っていると…。
「みつけたぞ、散々暴れやがって!」
息を切らしながら人間一人走ってきた。
「カザリちゃん、この人に覚えは?」
「うーん、ない!」
「こっちは、おおアリだぁ!!!」
吹き飛ばされそうな迫力で叫ぶ、シスターさん達も思わず耳を塞ぐ。
「ま、まずは落ち着いて」
「っ!…お前は…、クソッ!」
シスターさんを向くなりいきなり悪態をつき地面を思いっきり蹴る。
「ハァ…、後で正式に依頼を出す、とにかくしばらくソレを保護しておけ、くれぐれも見失うなよ」
「お任せください」
シスターさんは迷うことなく前のめりに即答した。
「お、おう…はぁ」
とても大きく溜息ついたあとゆっくりと来た道を帰っていった。
「なんだったんでしょうか…」
「さぁ?、そんな事よりお腹すいたー」
さっきの人間などどうでもいいかの如く己の欲望を訴える。
「今は携帯食料しかないからそれで我慢してね」
「はーい」
シスターさんからひったくるように携帯食料をもらい微妙な顔をしながらモソモソ食べていた。
「おーい大丈夫かぁ?!」
遠くからシスターさんを心配する声が向かってきた、身に着けている装備からしてさっき避難した人たちの誰かだろう。
「はい、問題ないですよ」
「それは良かった…、ところでその…御嬢さんは?」
「私の別のお仕事ですよ」
「そ…、そうか、だったらこれ以上聞かない方がいいな」
「そうしてもらえると助かります」
「ま、とりあえず仕事は終わりだ、俺たちはこのまま帰るがあんたらはどうするよ、方向が同じなら送っていくぜ」
「すいません、逆方向です」
「そうか、じゃあ元気でな、報酬は3日以内には届いてるハズだ」
「はい、かしこまりました」
依頼主達と別れ帰ろうとするとようやくカザリは携帯食料を食べ終わったようだ。
「そういえばシスターさんはどこに住んでるの?」
「今は教会に住んでいますよ」
「そこってもしかして菜食主義とかないよね」
「連日屋台が並んでますよ、住んでるっていっても食事は外で取ることが多いですね、そういえば教会で食事したのは数えるほどしかやってませんね、結構自由ですよ」
「良かったぁ」
帰りはカザリが鋭利なった翼を広げて帰宅した、事務仕事をしているシスターにカザリを見せたときに軽く悲鳴が響いたり、何人かが勝手に勘違いしたりしたりなど一悶着あったりしたが翌日にはいつもの日常が続いていた。
「で、行方は解ったのか?」
「それがあのシスターの元に向かっておりました」
「アレの所か…、アレは変化なしか?」
「はい、一向に変化ありません、すっごくつまらないです」
「ふーむ、まぁ今は一度に監視できるからいいのか…」
「とにかく今は修復を優先だ、特に動きが無い限り後回しでいいだろう」
「了解しました」
「あとは怪しまれないように依頼という形だけは取っておくくらいだな」
「その程度の出費なら問題ない、問題はむこうの機嫌取りだな」
「ですねぇ」
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