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悪魔でシスターですから  作者: 仙人掌


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33/60

薬の意味

「あらら、これは薬を飲まなかったせいかしら」

「でもこれはこれで便利ね」

ごはんを豪快に噛み砕きながら答える。

「でもこれから悪影響が出てくるかもしれないから一応お薬は飲んでおいてね」

「はーい」

カザリはめんどうくさかったのか結局薬を飲まなかった。

それから数日がたった。


「カザリちゃん、お薬飲んでないでしょう?」

「…はい、ごめんなさい」

カザリの肌の色が少しだが明らかに青白くなっていた。

「だんだんと人間離れしていますね」

「ごめんなさい、ちゃんとお薬飲むのでその黒いオーラはしまって下さい」

早速薬を口に流し込む。

「はい、よくできました」

シスターさんの黒いオーラが引っ込む。

カザリは安心して食事を再開する。


そしてさらに数日後…

「あらぁ、カザリちゃん…お薬飲んでなのかしらぁ」

「ちゃんとお薬は飲んでますって黒いオーラはしまってよー」

人ではありえないような鋭くとがった爪で薬の入った瓶を見せつける、中身は確かに減っていた。

「飲んでいるみたいですね」

どうやら薬を飲んでいるのにもかかわらずカザリの症状?は進行しているようだ。

「この状態を私以外の誰かに言ったり見せたりしましたか、それかお薬の事を知ってる人はいますか?」

「いやぁ…ここにいる人には貴女が来てからはあってないし話してない、それに次にお薬を持ってる人がくるのはあと10日後だし…」

この今起こっている状態を屋敷の人には見せるわけにはいかないだろう。

シスターさんは一度溜息をつき、今後の事を考える、このままどこまで形が人間から離れてしまうのか解らないし、そもそもその姿を他の人に見せないようにしなければならない、また薬を持ってきた人間は薬を飲まなければこうなるのを知っていたのかも気になる。

兎に角その薬を持ってくる人を待つしかなさそうだ。

「お薬もあと10日分しかない?」

「いや、数日分飲まなかったしそれとは別に少しだけど余分にある」

「じゃあとりあえず倍の量を飲んでみましょう」

「それしかないのかなぁ」

それから一応倍の量を飲んではいるが症状は治まることは無かった。

「さらに人間離れはしなくなったけど大丈夫かなぁ」

シスターさんは簡単な薬なら解るが今カザリが飲んでいる薬はそもそも人間離れを抑える薬なんて聞いたことなんて無かったので森に生えている薬草などで調合して代用なんて事はできなかった。


「今日で10日目ね」

薬は既に飲みきった、今日薬がこなければカザリがどうなってしまうか怖くなってしまう。

「そういえばお薬を持ってくる人はどんな人なんですか?」

「なんて言うかな、普通な人」

「普通…ですか?」

「特徴がないのが特徴な人、強いて言うなら優しそうな人」

「そ、そうですか…」

人の特徴を聞いてもシスターさんには違いがほとんど解らないためただの時間潰しである。

いつ来てもいいように構えて過ごしていたが結局その日は誰も来なかった。

翌日。

「う、が、ぁぁぁぁああああ」

朝日が昇りきる頃にカザリの叫び声が部屋中に響く、その声でシスターさんは飛び起きる。

「カザリちゃん?!」

カザリの方を見ると背中が以上に隆起していた、背中に手をのばしたいのだろうがどうやら痛みで動けずに声を上げるだけで精いっぱのようだ。

下手に触ってしまうの危険と判断して触らずに見守ることにした。

しばらく様子を見ていると背中が避けて大きな蝙蝠のような翼が飛び出してきた。

痛みは治まったのかカザリの息が落ち着いてきた。

「何がなんやら」

翼が出たことにより痛みがいきなり無くなったようで混乱していた。

「カザリちゃん、背中…」

「え、えぇ」

シスターさんに指摘されて鏡を見るなり自分の背中に生えている翼を見てドン引きしていた。

「かわいくなぁい」

背中に生えている自分の翼に文句を言う。

「シスターみたいな綺麗な羽が良かったぁ」

「いやぁ、そんな事をいわれても…」

翼の話をしていると突然扉がノックされる。

「はい、今開けます」

シスターさんが扉を開けると人が一人立っていた。


閲覧ありがとうございました。

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