カザリという少女との違い
「薬…ですか?」
「あれ、薬、一日一回この薬を飲むように言われなかった?」
カザリが懐から薬の入ったビンを取り出す。
「いえ、この状態になってから一度も薬品の類は一度も飲んだ事はないですね」
「あれ、じゃあ…私も飲まなくていいのかなぁ」
「飲まないと何かあるんですか?」
「うーん特に聞いてないなー、よし試に今日は飲まないでみよう」
「体調が少しでも変だと感じたらすぐに薬を飲んでくださいね」
「解ってますよー」
見た目相応の元気よさでそのまま完食しそのままベットに潜って行った。
シスターさんはその光景を微笑ましくながめながら食器を片づけていく。
食器を洗い終えて上がってくるとカザリからは規則正しい寝息が聞こえてきた、シスターさんはベットの横にある収納スペースから真新しい布団を取り出してベットの横に広げる。
厚着していた服を脱ぎ薄着になる、ついでに翼を広げるとようやく窮屈な気分から解放される、部屋の明かりを消してから一度背伸びして布団に横になる、すこしカビの匂いが気になるが疲れがいっきに来たので眠る事ができた。
翌朝、目が覚めるとベットの上でカザリに抱き枕にされていた。
振りほどこうとすると強くホールドされた。
「カザリさん、おはようございます、朝ですよ」
「…っん、ん…」
軽く反応するがまた寝息を立てていた、軽く揺さぶっても強くホールドされるだけだった。
「さすがにおきましょうよ」
「…あと5光年…」
「それは時間じゃなくて距離ですよー」
「はっ、そうだった…」
シスターさんの突っ込みでカザリの目が覚める。
「おはようございます」
「お、おはようござい…ます」
「さっさと布団を片づけて朝食作ってきますね」
「あ、はい」
テキパキと作業をするシスターさんを見ながらカザリは呆然としていた。
簡単に朝食をすませる、その後は特に何もせずにまったりしていた。
「…ねぇ」
カザリが声をかける。
「はい?」
「なんかないの?」
「勉強でもします?」
「遠慮します」
「そういえば、いつも何をしているのですか?」
「いつも…ねぇ、だいたい寝てるかなぁ、あとはたまにくる人を追い出したり」
「追い出したりするんですか?!」
「そうね、だいたい私を気持ち悪がったりするからね、それが大丈夫でも額の目を見たら大体悲鳴を上げるわ、そんな人間の世話になりたくはないわ、そのてん貴女は平気そうだったし、何より胃袋をつかまれたわ!」
「つまり何もしていないと?」
「……はい」
「それじゃあ、まず掃除しましょうか」
カザリはどこかホットしたような表情をして黙々と掃除を始めた。
もともと物が少なかったので掃除は短時間で済んだ、その後もなんやかんやしてすごして数日が経過したある日。
「はれぇ?」
昼食を食べているとカザリが変な声をだす。
「どうしました?」
「なんか歯が鋭くなってる」
カザリが口を開くとそこには肉食動物のような鋭い歯が並んでいた。
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