出会いは突然に
悪魔になってから夜目が効くようになり真っ暗闇の中、となりの村へと何もない道を進んでいく。
しかし何もない夜道を女が一人で進んでいると…。
「よお、ネェちゃんこんな夜に一人でいると俺たちみたいな山賊に襲われしまうぜぇ」
必ずといっていい程山賊などに襲われてしまう、シスターさんの周りに山賊がゲスな笑みを浮かべて取り囲んでいる。
「…以前なら、私は恐怖で足がすくんでいたでしょう…」
「んん、なんだってぇ?」
「今は…どうなんでしょ…少なくとも…」
シスターさんは手のひらを目の前の山賊に向ける。
「サンダー…」
小さく呟くと手から雷が発せられ目の前の山賊の頭が吹き飛ぶ。
「もうこの程度では呪文もいらなくなってしまった…」
「な、テメェ、冒険者か!?」
仲間の一人が死に怒りだす、しかしシスターさんはそれにも怯むことなく言葉を発する。
「いいえ、悪魔で…シスターですよ」
少し前の自分ならこんな夜に出歩くことは無かった、少し前の自分ならあれだけの魔法で息を切らすどころか発動すらできなかっただろう、少し前の自分なら殺す事にためらいがあった。
「サンダー……サンダー…」
次々と山賊の頭を吹き飛ばしていく、山賊達は事態を把握する前に全滅してしまった。
いつもなら人を簡単に吹き飛ばす威力の魔法を一発撃った時点で疲れて動けなかっただろう、しかし今のシスターさんには疲れている様子は全くない。
「本当に…私はどうなってしまったのでしょう…」
少し落ち着いてからそういえばあの人達にも家族はいたのかと思う、いや無理やりにでもそう思っておかないと自分が自分が無くなってしまう気がした。
「あ、…そういえばこの山賊って賞金首かしら?」
残念ながら首が綺麗になくなっているため証拠としては弱い、どこか近くに拠点がないか考えたがそういえば最近山賊が出るという噂は聞いたことは無く特に強い印象も無かったためどうせ無名なのだろうと服装などは確認せずとなりの村を目指して再び歩き出した。
閲覧ありがとうございます。
前回よりさらに短くなってしまいましたorz。
次はこのページより文字数増やすように努力します。




