街の中は…
「あ、でも人の見分けつかなかったんですよね」
「そうなんですよ、何か解る物があれば良いんですが…」
「そうですね…あ、これなんてどうですか?」
事務仕事をしているシスターはどこからか牙を取り出した。
「これは?」
「これはですね貴重なワイバーン種の牙なんですよー」
「へー」
ワイバーン種は山岳地帯に生息する魔物で今は数が少なく、人里からかなり離れていたり素材も大した使い道が無いので討伐などの依頼などは滅多にない。
「これ付けていいれば見分けはつきませんか?」
確かにこの牙を持っていればそれを目印に何とか区別できるだろう。
「ええ、これなら何とか分かりそうです」
「じゃあ、お風呂が終わったら、そうですね…ここに来てください」
「はい、それでは行ってきます」
「いってらっしゃい」
事務仕事をしていたシスターからわかれて風呂を堪能したあと事務仕事をしていたシスターと合流し市場に繰り出した。
しかしシスターさんには人ゴミがどうも気持ち悪く写ってしまい昔のようにあまり楽しいとは思えなかった。
「もしかして人が沢山いるのは苦手でした?」
「昔はそうでも無かったんですけどどうやら苦手になったみたいです」
「それは…ごめんなさい」
「いいんですよ、私も今苦手ってことに気づきましたから」
作り笑いを浮かべて大丈夫とアピールする。
「じゃああそこで休みましょう、私が何か買って来ますね」
近くのベンチで休憩し事務仕事をしていたシスターが何か買いに行ってしまった。
人ゴミから少しだけ距離があるため何とか落ち着くことができる。
「ねえねえ、君今一人かなぁ?」
一息ついてすぐに男性が話しかけてきた、一応姿が同じに見えるからと行って声を聞けば大体男か女かはハッキリしていればわかる、今話しかけてきた人間はあきらかに声が低く男だという事がわかった。
「いえ、友人を待っているところです」
街に買い物ということで修道服を着て来なかった事を後悔した、修道服を着ていれば声をかけられる事は無かっただろう。
「じゃあさ、その友人も一緒に遊びにいかない?、俺はいい店しってるんだぁ」
「いえ、遠慮しますね」
「ままそう遠慮しないでさぁ、楽しくいこうぜ」
だんだんと目の前の人間の頭を吹き飛ばしたくなってきた。
「お待たせしました、おや貴方は私の友達に何か用ですか?」
どうやら吹き飛ばす前に帰ってきたようだ。
「お友達もと…いえ何でもありせん、失礼します」
事務仕事をしていたシスターは修道服を着たままだったので振り返ってすぐに修道服が視界に入りさっきまでナンパしていた女性が関わってはいけない人だと即座に判断し走って逃げていった。
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