ゴブリン殲滅戦
「何、と問われましても私は任務でゴブリンの殲滅にきました」
それを聞いた山賊達が驚いたようすで答える。
「確かに教会の人間だったら止めやしないが、今回のゴブリンは数が多いぞ、大丈夫か?」
なぜかすごく親切にされてしまい疑問に思ったがそういえばシスターの服を着ていた事を思い出した、この国でシスター服は一種の身分証明となりこの服を着ているだけで山賊だろうが手を出してくる人はいない、最初に山賊がシスターさんに何しに来たか訪ねた、結果シスターさんは任務で来たと答えた、つまりどこに居るかは解らないが監視している人がいるはずだ、下手に手を出してしまえば最悪仲間もろとも殲滅させられてしまうかもしれない、なので山賊達はこれ以上かかわらない事にした。
「ええ、ゴブリンごときに後れを取る私ではありませんから」
ゴブリンごとき…少し前のシスターさんならこんな事は言えなかっただろう、少し前なら1体ならなんとか出来るかもしれないが群れなどになると多少持ちこたえるだろうがすぐに蹂躙されてしまうだろう。
「そ、そうか…ゴブリンは大体あっちの方向からやってくるぜ」
さっさと立ち去ってほしいためにゴブリンがいつもやってくる方を指す、このままいけばそのうちここの村の住人が戻って来るだろうが教会が関わってくるのならおとなしく引き下がるしかないだろう、たとえ目の前のシスターを襲ったとしても数も未知数のゴブリンをごときといい伏せたのだ、もしかしたら目の前のシスター一人だけで自分たちが殲滅させられるかもしれないと思ってしまった、実際に今のシスターさんなら可能である。
「ありがとうございます」
山賊が親切に教えてくれるのは驚いたが、それは自分ではなくシスター服の力だろうと自己解決し軽くお礼をいった山賊が指した方向へ歩き出す。
少し森を進むと早速ゴブリンが現れた。
「ライトニングショット」
問答無用でゴブリンの頭を吹き飛ばしていく、その光景を見た物陰や後続にいたゴブリンはひるんだが一度向き合い得物を見るようなゲスな笑みでゆっくりと迫って来る。
「ライトニング…サークルショット」
シスターさんの周囲に電の球体が数個現れる、そこから雷が発射されゴブリン達の頭を正確に打ち抜く。
流石にそれには驚いたゴブリン達が蜘蛛の子散らすように逃げていく。
「ライトニングサークルショット」
逃げていくゴブリンも残らず正確に打ち抜き周囲のゴブリンを殲滅していく。
最後の一匹が頭を打ち抜かれる前に空へ魔法の塊を打ち上げる、真っ赤に光る塊は暫く続き徐々に消えていった。
「なんでしょうか、あれ…」
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