南東の教会にて
南東方向にある教会に行く道中でも何故か盗賊や滅多に出ないはずの魔物にも遭遇した、普通ならここまで遭遇することはない。
何かに呪われているのでは無いかと思ったりもしたが遭遇する盗賊や魔物がそこまで強くないこともあり、たまたま運が悪かったことにした。
それ以外は順調に進み途中の町や村で少し補給しながら一週間後には目的の教会にたどり着く事ができた。
「この街であってますよね…」
背中に黒い翼が生えてからは人も街などの人工物がほとんど同じに見えるようになってしまい、一応地図ではここであっているはずだが今まできた街との違いがわからず本当にあっているか不安になっていた。
この街にも帝国の物ほどではないが大きな鐘があり教会が場所がわかりやすくすぐに教会につくことができた。
「すいませーん、ここに来るように言われてきたのですけど…」
裏口の扉を開けて誰か聞いていると思って声をかけてみる。
「あ、はーい今行きまーす」
遠くから返事が聞こえた、どうやらシスターさんの声は届いていたようだ。
慌ててこちらにくる足音と共に若いシスターが出てきた。
「えっと、最近加入した黒翼の人でここで登録でいいんですよね?!」
衝突しそうな勢いで元気いっぱいに質問する。
「ええ、合ってるますよ、でももし違う人だったらどうしたのですか?」
若いシスターの後ろからゆっくりと現れ若いシスターの頭をがっしり掴む。
「こここれはででですねね、わた私の直感いいますすかかぁ」
「よかったですねぇ、その感が当たって、良かったですね…」
「はい!」
「で、本日までで何回目でしたっけ?」
若いシスターを掴む力が上がっていく。
「え…っとぉ3回位いだダダダダダダダダ、ごめんなさい23回目ですぅ」
23回もこんな感じで誰か解らない人に黒翼の人か聞いていたのかと呆れた視線を送っていたが、それに気づいた若いシスターを掴んでいたシスターが少し取り繕い。
「立ち話もなんですしこちらにどうぞ」
と半ば営業スマイルが混じった顔で案内された。
「ど、どうも…」
ついていくと協会の表の方とは反対の方向に向かって行く。
「そういえば人間の区別がつかないのですよね?」
「そうですね、お二人も身長差がありますから今はなんとかわかりますが顔だけ比べられてしまうと違いがわかりません、すいません…」
道中にいきなり質問される、もう黒い羽もバレていることでもあるので、正直に答える。
「じゃあ、あの黒い羽本当にもあるんですよね?」
若いシスターがどうしても気になるといった感じで質問してくる。
「ええ、ありますよ…」
そう答えたあと若いシスターに鉄拳が飛ぶ。
「あまり人の事情に介入してはいけません!」
「すいません!」
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