退屈への脱出
屋内に戻り再び食堂の椅子に座る。
「…さてぇ、君の今後の方針の予定なんだけどぉ」
派手な人の雰囲気と喋り方で全く緊張感がない。
「はい…」
「とりあえずしばらくは裏部隊に配属かなぁ」
「裏部隊?」
「正式な名称が無いからそう呼んでるだけで人によっては伝わらない感じだよぉ、主な仕事は暗殺とか密輸とかいろいろかな、とりあえず上が上手く事が運ぶようにすることだね、君は前例は無かったけど人の見分けはつかない程度で特に変化はないだろ?、あ羽と角は生えてたね」
「確かに特に変化はなですね、じゃあもう子供達とは会えないんですね」
もう子供達の見分けがつかないのにも関わらずまだ子供達と接していきたいと思っていたがもうそれがかなわないと思い落ち込む。
「いや、任務によっては君が前にしていた託児の仕事をすることがあるかもしれないよぉ」
「本当なんですか?!」
「例えばぁ、少年兵と思われる子供がいる所とかぁ、そういう普通じゃあぁない所なら可能性はあるかなぁ」
「ちなみに過去にそのような任務などは…」
「んー…聞いてる限りだと一度だけかなぁ、そもそも裏同士で任務の内容教えったりしないからねぇ、多分割とあったりするんじゃあないかなぁ」
「結構曖昧なんですね」
「ま、この仕事してたら何が真実かわからなくなってしまうよぉ、目の前にも普通じゃあありえない現象が目の前に起こってるし」
派手な人に指摘されてやはり自分は普通じゃない事を確認する。
「そうですね、すいません」
派手な人は勢いよく立ち上がる。
「とにかく!、こんな退屈な毎日から脱出するために!」
派手な人のいきなりの行動に驚く。
「た、ために…?」
「あ、ちょっとまっててねぇ」
派手な人は自分の部屋から書類の束を持ってくる。
「これは?」
「君と僕がこの退屈な生活から脱出するための書類一式さぁ」
シスターさんは期待しながら書類を眺める。
「主な内容は変わらずに教会に所属するかどうとかたしかあんまり大した事は書いてなかったはずだよ」
「そうですか、でも一応全部見ますね」
黙々と書類の束を読んでいく…。
派手な人も暇つぶしに適当に何枚か書類を読む。
「ん…」
「どうかしましたか?」
「いやぁ、僕が入った時とは何か文章の内容が違うなぁ…って」
「そうなのですか?」
「いやさぁ、僕だけかもしれないけどぉ、僕の時の書類は3枚だけだったよぉ」
「え、じゃあ私の大すぎませんか?」
書類の数は有に20枚は超えている。
「そうだよねぇ、でも書いてあることはまともなんだよなぁ」
「そうですね、別に省略してもいいような内容までしっかりとありますね」
「それが読み終わったら次は…何枚にサインすればいいんだろ」
「全部で…5枚ですね」
退屈で同じ事が続く毎日が開放されると思うと二人の作業は短時間で終わった。
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