審問会
「それでは審問会を始める」
「…はい?」
席に着くなりいきなり真正面にいる人が切り出した。
「ではまず、君が派遣された教会でおこった事を話してみなさい」
「はい、まず…」
シスターさんは今朝まとめたことできちんと説明することができた。
「ふむ…にわかには信じがたいが街の方からも報告があり、証拠もあるためこれは疑いようもない真実である事が確定した…、なお今回の事件に関する事は一切公表しないこと、このことに異議があるものは挙手を…」
誰も手を挙げなかった。
「では審問会はこれにて終了する、そしてくれぐれもこの事、事件の事は誰にも公表しないように、なおこのシスターの今後については追って連絡する、では解散」
数人が席を立ち早々に出て行った。
もっと時間がかかると思っていたがさくさく進んで行き結構早く終わってしまった。
ついにシスターさんと一番奥にいた人のみになった。
「あのぉ…」
「おや、今後の事が心配ですか、大丈夫ですよ、事件の事でショックでしょうがここで休んでもらってしばらくしたらまた別の所に派遣になりますよ」
「はい、ありがとうございます…それで私はここにいる間は何をしていればいいのでしょうか…?」
「ふむ…」
奥の人が考え込む。
「ではなるべく早く派遣できるようにしましょう、ですからあなたはなにもせずに部屋で休んでいなさい、何かあればこちらからしらせますね」
「わかりました」
シスターさんはゆっくりと立ち上がりお辞儀をして退出してそのまま部屋まで帰っていった。
部屋に戻ったところでなにもすることがないが何もしない日もいいだろうと割り切って上質なベットを堪能しながらだらだらして一日を終えた。
翌日、教会の鐘の音に叩き起こされた後小さなシスターに案内されて昨日の会議室っぽい部屋まで行った。
「なるべく早くということで君の次の派遣先が決まりましたよ、次の派遣先はここから北方にある村の教会だ、最近人口が増えたため人数が必要になったのでそこに決定しましたよ、あなたは確か教員資格がありましたよね、即戦力になるのでむこうも助かるでしょう、あと数時間すればそこえ向かう馬車を手配しておいた、準備ができたらすぐに出発するように」
「はい、それではすぐに向かいます」
シスターさんは南の方から来たのでつい先日までいた教会とは正反対の場所にあるようだ。
荷物はあんまりもっていないので用意などはすぐに済み早々に北方へ向かった。
道中盗賊や魔物に襲撃されたもののあっさりと倒し、3日後には教会に着いた。
閲覧ありがとうございます。




