エピローグ
友佳の事件から半年後……。結局、瑞希は学校へは戻って来ないでそのままアメリカへ留学することになったと担任が朝のホームルームで話していた。
私は光さんの事を知ってから両親の事故はもしかしたら悪霊達が関わっていたんじゃないかと思うようになっていた。
龍之介はそんなことを真面目に話してくれる訳もなく妙子さんにも上手くはぐらかされてしまった。
「龍さんも妙子さんも闇子さんの事を大切に思っているからこそですね、真実は語れないんです。闇子さんもそれだけは忘れないように行動してくださいね」
師匠が膨れっ面をしている私に向かい合ってお茶を差し出しながら、念を押して来た。
「わかりました。そうですね。両親の事故に悪霊が関わっていたんだとしたら、きっといつかそいつは私を狙ってくるかもしれない。だから、今は何も無理に聞かずに能力を自分で使いこなせるように精進することにします」
少し考えてから背筋を伸ばして座り直して私が答えると、師匠はうんうんと頷いてくれていた。
「それと、この式神なんですがね。私がずっと持っていても良いものなのでしょうか? 師匠の式神なのでそろそろお返ししないと……」
「闇子さんを気に入られたようでしてね。その方は私との契約は更新されないそうです。ですから闇子さんが契約してその式神は自由にお使い下さい」
師匠に言われて私は少し驚いてお茶を吹き出しそうになってしまった。
そして……。一か月後に私は式神と正式に契約を結び少し古風な御子様は私の正式な式神になりました。
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