第1話 超絶で最狂の三人が幻想入り
我が最初にして最悪の二次創作小説、超絶で最狂の三人が幻想入りを、ここに解禁します!
さて、前々から知ってる人ならわかる通り、この小説の駄文は酷い有様です。しかし、今の僕の文章ならば、何とかなるレベルまで辿り着きました。
どうぞ、見かけたなら、一話だけでも良いので読んでください。期待出来るモノかどうかはわかりませんが…
○○学園にて……
『ここが○○学園ね、あの三人が居る、この学園──ウフフ……』
─────────
宇宙人との闘いから1週間、優、茜、アントニオン、牛尾、ジャックの5人は今日も平和な一日を過ごしていた。こんなしっかりした平和な日々は彼等にとって珍しく尊い存在である事。
そして現在、授業が終わり、○○学園中等部の彼等の中の三人である優、茜、アントニオンが同じ帰路を歩いていた。三人はいつもこの道を歩きながら今日あった出来事を談笑するのだ。
「しかし今日の100m走測定は俺以外みんな12秒か13秒くらいだったな」
「それは優が人並み外れた身体能力を持つからでしょ! いくらなんでも常人の10倍は良い意味で酷過ぎ」
「いやぁ先生の驚く顔が印象的でしたネ! 100mを6秒32でしたから、凄いですヨ!」
まず第一声を放ったのは三人の中でもリーダーと言える瀧沢 優、14歳、中等部2年。一見、普通に見える彼だが、実は常人の10倍の身体能力を持つ超人の中学生なのだ。
優に続いて言葉を口にしたのが三人の中で唯一の女子である大島 茜、14歳、中等部2年。一見、普通の女子中学生に見える彼女だが、実は最強の剣術、龍虎二刀流の継承者なのだ。
最後に語尾がカタカナ語になる三人の中でも一際背が高いのがアントニオン・ライブラリー、14歳、中等部2年。一見して普通には見えない彼だが、実は本当に普通では無く、超高技術によって造られた超精巧な心の有るアンドロイドなのだ。
「てゆーか、初めて優が私達に力を見せた時からもう身体能力を隠さなくなったよね」
「そらそうだ、わざわざ隠してた事実を知らしたんだ、もう隠す必要は無いだろ」
「そうですよ、僕だってアンドロイドである事を暴露したんですかラ」
「アントニの場合、驚きと言うよりちょっとした納得だよね〜」
「それもそうだな」
「エェ!? そんな酷いでス! 元から人間じゃないみたいに思ってたなんテ……!」
「だって190cmの中学生なんて居ないでしょ、ね?」
「探せばちらほら居るだろうけど、ホンのひとつまみ程度だな」
「そ、そんなァ……」
実に中学生らしい楽しげな会話を交わす中、三人の前に三方向に別れた道が現れる。三人はそれぞれが帰る道が殆ど同じだが実際に家が近くなると違い、必ずこの別れ道で離れ、また明日には三人会えると言うモノだ。
「じゃあ、また明日な」
「うん、明日ね」
「明日ですネ」
そして、それぞれがそれぞれの帰る道へと歩きだし、家への帰路を辿り、帰って行く。ところが、優は一人、いつもの帰り道に何か奇妙な違いを感じていた。
いつもは感じる筈の近所の人達の気配や、その近所の人が飼っているペットの気配すらも、更には自分の家にいつもは在る筈の親の気配すらも感じず、優は神経を研ぎ澄ました。
「──居るんだろ、隠れてないで出て来い」
「あら、気付いてたの? さすが、あの二人と比べて最強なだけあるわね」
優は"あの二人"と言うワードに目を見開き、同時に鋭く変化させ、声のある方向へと振り向く。優がその目で見たのは腰より下へ長く伸びた金色の髪と紫掛かった赤色の眼をした日傘をさした女性だった。
「お前、今"あの二人"とか言ったな。それはまさかボサボサポニーテールの女子中学生と背の高い男子中学生じゃなかったか?」
「いかにもそうよ」
女性のこの言葉をしっかりと耳にした優は途端、全身から青い波動を思い切り放ち、同時に目の色を金色に変えていた。優本人は無意識だが、眼の変化を目の当たりにした女性は突然途轍もなく大きく膨れ上がった優の力に恐れを憶えた。
「てめぇ、茜とアントニオンに何をした……!」
ゆっくりと確かな重量がある言葉と優の威圧は女性の身を今まさに押し潰す勢いだった。だが、突如どこからともなく優の背後から光弾が飛来して来て、優は背後に迫った光弾を振り向いて殴り消した。
優が光弾を殴り消した瞬間、優が全身から放っていた圧力が途絶え、女性は即座に優の目の前まで接近し、優も女性の居る方向へ向き直す。そして二人の目が合い、女性は怪しげに笑い、優の眼は元の色へと戻り、直後優の全身が脱力した。
「なッ⁉ か、体が──動かねぇ……」
「どうやらまだまだみたいね。だからこそ、あなたはこの世界に居るべき人間じゃ無いのだけど」
女性は言葉を言い終えると同時に指を弾き鳴らし、異形のモノを優の目の前に召喚した。それは無機質の眼が無数に蠢く魔の巣窟を彷彿させるモノで、奥行がどこまでもあり、立体的にこの異形物の中に体が吸い込まれる感覚になる。
「後は"向こう"でお話でもしましょうね」
優が異形のモノの中へと落ちて行く様を女性は笑顔で見送った。優は全く力が入らない自身の体を何とか動かそうともがくが、体はビクともせず、気が付けば異形物の中から抜けていた。
優は石畳みの上に仰向けで落下し、その衝撃で肺の中の空気を全て吐き出した。空気を失った肺の中に酸素を取り入れるべく、優は思い切り口から空気を吸った。
吸い込んだ空気が優の肺の中を満たした瞬間、優は驚いた。先ほどまで全く力が入らなかった自身の体に、みるみる力が湧いてきて、先ほどの自分の出していた力を遥かに上回る力を身に得た。
「何だこれは、一体どうなってる? 内側からどんどん力が湧いてくる……」
溢れるほど湧いてくる自身の力に驚きつつも体を素早く起こし、目の前に何かが落ちているのを確認する。更に驚く事に、落ちていた何かは優の友達である茜とアントニオンだった。
「茜! アントニオン!」
優は倒れている二人に駆け寄り、二人の状態を起こした。保健の授業で習った知識を活かし、脈拍を調べてみたが、特に異常は無く、茜は単に気絶してるだけだと言うのがわかった。
一方でアントニオンは脈拍も何も無い為、本人から直接訊いた事を思い出し、一時的なブラックアウト状態と言うのがわかった。二人の状態が理解出来たところで、優はそっと二人の体を寝かせ、周囲の状況を見てくる事にした。
ところが、優は一歩踏み出した直後に、足を止めた。そして自身が落下した位置を見直すように振り返り、本来一番始めに気付くべき目の前の建物に視線を移す。
「神社か。今時珍しい新装のように綺麗な神社だな──ん?」
ふと何者かの気配を感じた優は顔の方向を鳥居が見える正面へと向き直る。すると優は視線の先に赤と白の軽装服の少女を見つけ、少女もこちらを見つけた様子であった。
「また外来人? 最近多いわね、ホント……」
少女はゆっくりと優の目の前に降り立ち、後に独り言の愚痴を優の前で堂々と溢す。その姿を目の当たりにした優は自分も今現在の愚痴をたっぷり溢したくなった。
「あんた誰だ?」
「私は博麗 霊夢。あなたの後ろにある神社の巫女よ」
「巫女? 今時珍しいな、巫女とか。それにその服のデザイン、それが最近の巫女なのか?」
「あんた何言ってんの? 此処はあなた達が思うような世界じゃないんだけど」
巫女を名乗る少女のこの言葉に優は一瞬戸惑った。確かに服装は変、何故いつの間に自分達は神社の前で倒れていたのか、そして先ほどまで顔を合わせてた金髪の女性……。
「まさか……いや、そうか。理解した、つまりは異世界って事だな」
「あなた達外来人から言わせればそうなるわね。御最も、此処は他の世界とは別の世界、"幻想郷"よ」
「そんで俺の前に現れたあの金髪の女、あいつの所為だな」
「ま、外来人がこんなところに無造作に"置かれて"いたら考えるまでも無いけど──って、あんたかなり理解ってるみたいね?」
「こう言うのには前から鋭くてな、嫌な癖だ」
優はこの言葉と共に俯きながら、暗くも真剣な表情を浮かべ、自身の送って来た"あの日々"を思い返す。優のその表情と思い詰める様子に霊夢は心配の色を隠せなかった。
「あんた大丈夫? 顔色が良くないわよ?」
「あぁ、大丈夫だ……。そうだ、まだ自己紹介してなかったな。俺は瀧沢 優、よろしくな」
優は無理矢理表情を笑顔に変えると、自分の名前を名乗り、霊夢に握手を要求した。霊夢はそれに応えようと手を出したが、二人は同時に"誰か"の気配を感じた。
その気配、優には先ほどまで身に覚えがある例の気配、霊夢には以前から知っている妖しい気配。つまり二人とも知っていて且つ、二人の中の思考はまるで一致しやすい人物だと言う事。
「霊夢、この気配、俺がさっき感じたヤツと一緒だ……!」
「そう……。なら、予想通りね…」
その直後、二人の目の前に斜めの線が長く入り、同時に瞼が開くように開き、その紫色の闇の中から足が、スカートが、手が、袖が、胴が、服が、顔が、帽子が、金色の髪が出て来た。
「やっぱり、あんただったのね」
「あんた、何者だ……」
『私は八雲 紫──ですわ』
続く
突如として知らぬ間に居た場所、その名は"幻想郷"……。その世界で優達は"ある女性"と出会い、運命が大きく変わっていく。
そして、空に突然、真紅の霧が立ち込めた──この現象の原因を突き止めるべく、優達は動き出す!
次回、超絶で最狂の三人が幻想入り
第2話 霧と館と吸血鬼 ①
御楽しみに