第九十二話 最強vs最凶
俺は、最終兵器に恨みを持っているわけではない。ただ、自身がモチーフにされているのが、気に食わないだけだ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
そう思っていると、遠くから声がしたため、俺はそちらを振り返る。すると、レイナが俺のもとに駆け寄っているのが見えた。が、違和感を感じた俺はレイナに聞くことにした。
「なあレイナ。あいつはどうした?」
すると、レイナは泣きそうになるのを抑え、やがて、その事実を述べた。
「あいつが、私を庇って、」
その言葉に、俺は「ハッ」と、笑った。
言い訳を聞こうと思っていたが、まさかこうもひどいとは。そのひどさに、笑う。
「何がおかしいんですか?あいつが死んだんですよ!!」
そう演技をしているレイナに、俺はとうとうその真実を告げることにした。
さて、どんな反応をするかな。
「あいつは死んでいない。お前の言い分を聞けばわかる。だが、さすがにその状態だとなぁ。」
そういって、俺は彼女のノーダメージの服を見る。すると彼女は笑い出す。その本性を出したかのように。その狂気の笑みをこちらに向ける。
「やっぱばれちゃう?そうだよねそうだよねぇ?ハハハッ!!」
だが、彼女の笑いを華麗に無視して、俺は淡々と諭すように告げる。
「それで、本当はどうしたんだ?」
すると、彼女は心の底から嬉しそうに、いや、楽しそうに笑いながらも、その事実を突きつける。
「私が殺した。」
その瞳に光はなく、ただ楽しそうに笑いながら言った。
チっ。思わず舌打ちをしそうになる。が、今は関係ない。もしそれが本当でも違うとしても、俺が勝つ。そして、そのあとに行われる処理が少し変わるだけだ。
そうして、俺は今一度、そのナイフをそいつに突きつける。
「へぇ、私と戦おうとするんだぁ、勝てないのに?ハハ。面白いね。君。」
その瞬間、見たこともない魔法が俺めがけて飛来する。が、空間魔法で何とか対処する。
危ない。まったく、なんだ今のは。何魔法だ?くそっ。らちが明かない。どうする?あれを使える回数は残り1回。どこで使うか見極めろ。
そう考えるが、魔法をいなすのに、どんどんと体力が削られていく。
「チっ。やるしかないのか?」
そう悩みながらも、回避していたそのとき、目の前に、隕石のような何かが俺に飛来する。
今しかない。そう思った俺はあれを使い、空間魔法を常時発動する。
「さあ、本番はこっからだ。」
そういいながらも、俺はすかさずナイフで攻撃を仕掛ける。が、かんっ。という金属同士がぶつかり合う音とがし、俺の攻撃が無効化させる。
まったく、遠距離もつよくて近距離も強い。最強かよ。
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