第八十四話 落ちこぼれvs最強
そうして、僕は風魔法、先生は空間魔法を使い、正面衝突をする。
普段の生活をしているものでは到底聞けないような衝突音。それと同時に僕は剣をふるう。が、先生ももちろん瞬間移動をし、回避する。
「遅い。そんな程度じゃあ、あいつらには到底かなわん。」
そうして、僕の背中に電撃のような衝撃が伝播し、数十メートル後方へと吹き飛ばされる。
が、勢いを風魔法で殺し、そのまま追撃を仕掛ける。
「遅い。か。だけど、それは先生だって同じさ!!」
剣をふるうと見せかけ、うねりをつけた左拳を先生の顔面にたたきつけようとする。
だが、これも瞬間移動で回避されてしまった。
どうする?空間魔法。対処法は、高速で移動し、攻撃するのみ!!
「さあ、第二ラウンドと行きますか。」
僕は風魔法と倍化魔法を組み合わせて発動し、すべての身体機能を底上げする。
そして、その異常なほどのスピードで先生の眼前にまで迫る。そのまま、僕は剣をふるう。
「それじゃあ、俺は倒せん。もっと全力でかかって来い。」
ふるった位置とは魔反対の場所から声が聞こえたため、思わず驚愕する。さすがは最強。片腕がなくなった程度じゃあ、その実力は衰えない。ってわけか。
「なら、こいつはどうかな?」
そうして、辺り一帯に水を覆った次の瞬間、氷魔法を発動させ、空に移動せざるを得ない状況にする。
「おっと、危ない危ない。」
そんな安堵の声を漏らす先生の隙をつき、一瞬にして背後に回り込む。
そして、莫大な威力を誇るその拳を先生に叩き込む。
「危ないってのは、こういう状況になって使うもんだぜ。」
僕は空に浮かびながらも、そうつぶやいた。
勝った。そう思ったのに、最強の男エディタ・グイドはまだ立っていた。
「流石だな。だが、まだまだ甘い。」
そして、一瞬にして僕とに距離を縮め、そのナイフを僕に振りかざす先生。
それを何とか紙一重で回避し、反撃に転ずる。が、その片方の腕だけで受け止められてしまう。
思わず舌打ちをしてしまう。が、活路はまだある。
「炎は、先生を囲む火の壁と化す。」
次の瞬間、僕と先生の間に炎の壁が出現し、攻撃を遮る。
そして、そのまま僕は突進し周りの状況を判断できない先生へと一撃を放つ。だが、先生も馬鹿ではない。空間魔法で炎魔法を無効化し、そのまま突進してくる。
「おぬしら、何をやっておる!!」
両者の拳が重なるほんの直前、校長が屋上にやってきて、僕らの戦いを制止する。
で、降りてくるなりこっぴどく怒られ、戦いを再開しようにもできない状況になってしまった。
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