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第八話 必死の時間稼ぎ

 その問いに俺は答えようとしたのだが、もう声が出なくなるほどに疲弊していた。そんな俺に彼女は駆け寄り、俺の頭上に手を置いて魔法を詠唱し始めた。すると瞬く間に俺の体は癒えていき、最終的には俺が彼女と戦う前の状態まで戻っていた。

「これは?」

「そうね、単純なネーミングで呼ぶとするのならば、回復魔法。かしらね?」

「安直だな。」

とは言っても、だ。新たな魔法を生み出すなんて、流石Aクラス2位といったところか。

「いいじゃない。今考えた名前なんだから。まあいいわ、話を戻しましょう。あなたはあいつの知り合いなの?」

「そうだ。俺はあいつのマブダチだ。」

すると彼女の顔は申し訳なさそうな顔に変わり、こういってきた。

「ごめんなさいね。」

と。正直意味が分からなかった。なんで彼女は俺に対して謝っているんだ?そう疑問に思った俺は彼女に問いかけてみることにした。

「君はあいつとはどういう関係なんだ?」

すると彼女は少し頬を赤らめながら

「一緒の村出身で、私の弟子的な存在よ。」

といった。で、あるならばだ。そう思いついた時には俺は彼女に提案を持ちかけていた。

「なあ、今俺はあいつを探しているんだ。そこで君にもあいつを探すのを手伝ってほしい。お願いできないだろうか?」

「いいわよ。ちょうど暇してたところだったし。」

 そうして俺たちはあいつを探すのだった。



 そんなわけで俺たちはあいつを見つけることに成功していた。だがその近くにもう一人、男と女の子がいた。そして肝心のあいつはもう戦闘の続行は不可能と一目でわかるくらいに傷を負わされていた。どうしたもんかと思考していると、隣で彼女がつぶやいた。

「頼みがあるの。」

そういい、彼女は作戦を俺に伝える。

「あなた、10秒でいいからあいつを相手にできる?」

「ああ、任せろ。」

「あいつ一応あれでもAクラスだけど、それでも行けるの?」

「少し不安だが、やってみる。それしかないだろ。」

「そう、それならよかったわ。」

そう作戦を立てていると男がこちらに気づいた。

「じゃあ、よろしく頼むわよ。」

そういい、彼女はあいつのもとへと疾駆し、それと同時に俺は赤いハチマキを頭に巻き終え、男のところへ向かう。1秒。次の瞬間、拳が俺のところへと飛来する。2秒。だが俺はその攻撃を紙一重で回避する。3秒。そうして生じた一瞬の隙を俺は見逃さず、そこにさっき彼女がしたように俺は男の腹へ手を添え、雷魔法を放った。4秒。

「へっ!」

男は何ともないような表情で俺に接近し、拳が腹に直撃する。5秒。

「ぐはっ...!」

6秒。そういい、俺はその場に倒れこむ。

「10秒程度余裕だと思っていたが、これ程だとはな。」

7秒。俺は立ち上がり、炎魔法であたりを囲む。8秒。男が一瞬ひるんだすきを見計らって、俺は水魔法を使い、男の身動きを封印する。9秒。だが男はその魔法を弾き飛ばし、俺へと突っ込み、男の攻撃がもろに入る。10秒。ダメージを負ったその体で、何とか立ち上がる。はあ、長かったぜ。

「じゃあ...あとは、頼んだぜ。」

そういい、俺の意識は落ちていくのだった。

もしこの物語がおもしろい、続きが見たい!と思ったかたはブックマークや高評価を押していただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。

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