第七十二話 作戦決行
それは、突然の出来事だった。
朝起きれば、そこはいつもの光景だった。だが、ただひとつ普段とは違うものと言えば、緊急のサイレンが鳴っていることだろうか。
『緊急事態です。今すぐ避難してください。』
その放送にあわれふためく人々。それは僕という人間を除いた全てに適応されていた。
「ばにぼうっとしてるの!早くしないと!」
そういうカナに、僕は首を振る。
ああ。そうだ。僕は逃げるわけにはいかないのだ。だからこそ、僕は首を振る。
「今、避難しろと言われているけど、おそらくそれでは脱出は無理だ。だから、これを機に脱出するしかない。」
少し乱暴だが、カナの手を握り僕は別の道へと走る。
「ちょ、ちょっと!?」
そう慌てふためいているが、今はそれどころではない。一刻の猶予もないのが、今の現状だ。だからこそ、僕はなるべく急ぎ目で出口を目指す。
さあ、始めるとしよう。僕の『脱出作戦』を。
緊急避難用アラームが鳴り、少し経ったところで、俺、レイのもとにレザーがやってきていた。
そして、こちらを視認するなり報告を始める。
「ボス。今しがた、奴らがこの本拠地に攻めてまいりました。いかがしましょうか。」
「とりあえず前回の作戦会議で言った配置についていろ。」
わかりました。と言って、レザーは急ぎ目にこの場を去っていった。
にしても、だ。さすがは政府。こうも準備が速いとは。だが、
「俺たちにも、秘策というものは、いくつかあるんでね。」
そうつぶやきながら、俺は天井を見上げる。
ああ。久しぶりだ。この胸の高鳴り。今まで演じてきた役職を忘れてしまいそうになるほど熱くなってしまいそうだ。
さて、始めよう。俺たちの、『迎撃作戦』を。
そうして、俺たちはリベレイションの本拠地とされる場所にたどり着いていた。
「さて、まずはどうするか。わかっておるな?」
その校長の言葉に、自信に満ちた表情で皆が頷く。
すると、校長は入るぞ。とだけ告げ、俺たちを先導していった。
「分かれ道だらけだな。」
本拠地の中に入るなり、俺はそんなことをつぶやいていた。
いくら最強と言われた俺でも、この分かれ道の多さに少し気おされてしまった。
「配置についたな?では、行くぞ。」
その校長の言葉に続いて、俺、ユイガとレイナ。オルトと村長。の三つのパーティに分かれる。
そして、俺たちはそれぞれ別の三つをたどるのだった。
絶対見つけて見せる。そう誰よりも堅く決意しながら、俺はその道を歩むのだった。
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