第五十七話 カナの様子がなんだかおかしい
僕は、個室に戻るまでの間、考え事をしていた。
まず一つ、この組織は案外頭が回ること。そして二つ、人数がかなりいること。三つ。皆の実力がBクラス相当のものだということ。
これらを踏まえてどうするか。そうだな、政府には悪いけど、まずは仕事をやってみて、いったいどういうことをやっているのかを具体的に知る事。だな。そして、そのあとに何とかして僕かカナを脱出させ、学校側にこの情報を渡すこと。
「やることは一見単純そうに見えるけど、案外複雑なんだよなぁ。」
そういいながらも、僕は歩き続ける。
あと重要なことは....。そうだ。警備が手薄になる時間帯を調べておかないとな。
そういった矢先、気が付けば僕は自身の個室の前に来ていた。そして、そのドアノブをひねる。するとそこには、カナがいた。
「ごめん。少し遅れた。」
するとカナはこちらに気づき、その顔を上へと上げた。
「遅い。」
そういうカナ。そういう彼女の雰囲気はどことなく暗く見えた。
「ごめんって。ちょっと大事な話が合って。」
「話って?」
そう問うカナに、僕はこのことを話すべきか、はぐらかせべきか。迷っていた。そして、しばらく考えた末、本当のことを話すことにした。
「明日の早朝。僕は、ある建物に潜入して政府の情報を奪わなくてはいけなくなった。」
それを聞いた瞬間、カナの目は大きく見開かれ、驚きを隠せないといった表情でこちらを見つめる。
「それ、本当?」
再度問うカナ。それを僕は、首肯で返す。
「そんなことしたら、こっちが不利になるじゃん!!」
「確かにそうだよ。だけど、僕は先生たちの実力を信じてる、だから、こんな程度で不利にはならない。そう思ってる。」
「だけど、それはあくまでもしもの話でしょ!それで、私たちが負けてしまったら、あなたは責任が取れるの?」
そう叫ぶカナ。だけど、なぜ叫んでいるのか、僕にはわからなかった。だけど、僕は、自身が導き出した答えを、カナに告げる。
「責任はとれる。そして、不利になることでもない。これを体験して、何か掴めるものがあるかもしれない。だからこそ、僕はそれをやるんだ。」
その言葉に、彼女ははぁ。とため息を吐いた。
「それでも行くんだ。まあ、しょうがないか。だって、これは全部あなたに行ってほしくなかっただけの、口実に過ぎないんだから。」
と。
「口実?」
その言葉に、僕は思わず小首を隠しげてしまう。するとカナは、白状するように告げる。
「だって私、あなたに死なれちゃ困るんだもの。」
「なんで?」
そういう彼女に、僕はふと思った疑問をぶつける。すると、彼女は顔を真っ赤にしながら、小言で何かをつぶやいた。
「だって、好きな人に死なれるのなんて困るし...。」
「なんだって?」
よく聞き取れ中たt僕は、思わず聞き返してしまう。
「何でもない!!」
そういう彼女は、いつもと違う気がした。
というか、なんでカナは起こっているんだ?
この時、僕は初めて『女の子って不思議だなぁ』と、思うのだった。
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