第五十四話 夕食
その言葉に、僕は思わず後ずさってしまう。
「創立、者?」
この男が?この男こそが、黒幕なのか?様々な憶測が僕の脳内を駆け巡る。が、自身の頬を軽くたたき、物事を整理する。
「ああ。そうだ。どうした?そんなに驚きか?」
「いえ、そうではないんです。むしろやっぱりと確信が付きました。」
「そうか。」
そういう彼は凛々しく見えた。そんな彼は視線を獏から外し、後ろへ向いた。
「さあ、ほかに質問はあるか?答えてやろう。」
その言葉に、僕は遠慮しながらも尋ねることにした。
「あなたがボスだということは、みんなは知っているんですか?」
「いや、知らないな。俺は、常に身分を隠している状態だ。」
彼は、僕と視線を合わせず、背を向けながら話すだけだった。
「ほかには?」
その言葉に、僕はいえ。ないです。と答え、その場を後にした。
あれから僕は個室に戻り、カナと合流していた。
「あれ、もう終わったの?」
そう聞くカナに、僕はああ。といってみせた。
「何か収穫はあったの?」
「そうだな。」
そういって、僕はこの部屋に監視カメラや盗聴器が隠されていないか確認する。そして、なにのを確認し終え、さっきおこった出来事を鮮明に話した。
「うそ!?」
僕が出来事を話し終えると同時に、カナは驚き、僕にその真実の真偽を確認する。
「ああ。本当だ。」
するとカナは信じられないというような顔になりながらも、なんとかその状況を頭で整理しようとする。
「組織のボス。レイねぇ。この情報はみんなに伝えておきたいけど。」
「あいにくと、ここがどこなのかわからない。さらに言えば、僕たちは外に出れない状況だ。だから、何とかしてここから出る術を探さないと。」
そうして、僕は脱出する方法を考えるが、その答えが出てくることはなかった。
そうしばらく考え込んでいると、どこからかアナウンスが聞こえてきた、
『えー、時刻は7時を回りました。よって、これから夕食を配布したいと思います。配布している場所は、食堂です。』
そのアナウンスを聞いたせいか、僕は腹を空かせてしまっていた。カナも僕と同じような現象に陥ったのであろう。彼女も腹をグーと鳴かせていた。すると彼女は恥ずかしそうにこちらを見ながらも、
「早く、行きましょう!!お腹すいたでしょう!?」
そういって、僕の腕を無理やり引っ張りながら、彼女は食堂へと向かう。
そうして食堂についた僕たちは、無事夕食を手に入れ、その場で夕食を食べていた。
「へぇ、かわいいのがいるじゃねぇか。」
そういって、やけにガタイのイイ男が、カナに向かってナンパをしようとしていた。困惑するカナ。そして、こんな状況じゃうまいご飯も食べれそうにないので、僕は彼に注意することにした。
「ねえ、嫌がっているんだから、やめたらどう?」
するとその男は不機嫌そうな顔をこちらに見せつけ、にらみつけた。
「ああ?お前、気に入らねぇな。ちょっとお前、ついてこい。」
その言葉に僕はいいよ。とだけ言って、彼についていくのだった。
もしこの物語がおもしろい、続きが見たい!と思ったかたはブックマークや高評価を押していただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。




