第五十一話 奴らの目的
その後、あそこにいる意味はないと判断した俺たちは学園に戻り校長室にて、会議を行っていた。
「さて、これからどうするか。だな。」
そう俺は話題を切り出す。すると校長が口を開く。
「まず、奴らの目的についておさらいしておくことにしておこう。奴らの目的は『魔法主義の廃止』。それは覚えておるじゃろう?」
その言葉に、全員が無言の首肯を返すが、俺はそのまま質問をする。
「それはそうだが、じゃあ今回奴らが行った生徒を誘拐する。という行為にはどう説明するんだ?」
「わしらの学校は政府とつながっておる。それゆえか、この学園を悪とみなしておるのかもしれんな。そして、その悪から守ってやろうとしたのではないだろうか。」
俺は顎に手をやりながらも、その言葉に納得していた。
「なるほど。確かにそれなら筋が通るな。」
「ちょっと待った。」
すると、オルトという生徒が挙手をし、質問を繰り出す。
「ならザードリはどうなんだ?あいつは、みんなを守ろうって性格じゃねぇ。なのに組織の幹部ってことは、何か別の意図があるんじゃないのか?」
「きっと組織にも力のあるやつは欲しいんじゃろう。そして、そんな奴を抑えるために、奴の上にレザーを置いたんだろう。頭脳明晰な奴なら、きっとそうする。」
すると校長ははぁ。とため息をついてあたりを見渡す。
「ほかには何か疑問はないか?ないならこの会議を解散するが。」
その言葉に、誰も反応するものはいなかった。
「それでは、この会議を終了とする。」
そうして、この会議は終わりを告げた。
あれから俺は、学校の庭園にて読書をしながらも考え事をしていた。
「校長、か。」
校長。それは学校内での作戦会議では名を出すことはなく、秘密裏に校長が俺に教えてくれたことだ。そして一部、第三次試験の時。奴らの行動は俺らの行動を先読みしているようにも見えた。とはいっても、あくまで一部。校長が登場してきたあたりから、奴らの行動にぼろが出た。それ故、俺は中に入ることができたのだ。だとしたら、一定範囲の未来視?そういう概念系統の魔法使いが、奴らの組織にはいるということなのか?まあ、それよりもだ。
「無事だといいんだがな。」
そういった瞬間、横から、声が聞こえた。
「やっと見つけた。」
そう息を切らしながら、向かってくる生徒に、俺はそいつの方向を向く。
「どうした。ユイガ。」
するとユイガは必死に。懇願するようにその願いを俺に告げた。
「先生、俺をレザーに負けないほどに鍛えてください。」
その言葉に、俺は嬉しそうに告げる。
「いいぞ。付き合ってやろう。」
と。
そういって、俺とユイガの特訓が幕を開けた。
もしこの物語がおもしろい、続きが見たい!と思ったかたはブックマークや高評価を押していただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。




