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第四十六話 テレポート魔法

 俺の言葉に彼は鼻で笑い飛ばした。


「無理に決まっているだろ。俺たちからしたらこいつは重要人物なんだ。だったら、そんな奴を潔く渡すと思うか?」


「そうか。」


彼の言葉に、俺は少し落胆しながらも、彼の顔を見つめる。


「それなら、戦うしかないよな?」


「もちろん。」


そういった瞬間、彼は俺を射程距離内までとらえていた。そして彼はそのまま魔法を発動する。


「効いていない!?」


ああ。そうだ。俺の魔法は空間魔法。故に、魔法自体を別の空間に送り込んでしまえばその魔法を無効化できるのだ。まあ、その対象が空間に触れていないといけないんだがな。


「じゃあ今度は。」


そういって、俺はバックステップをとって回避を行おうとする彼に向けて、その場で当たるはずもない打撃を放つ。


「ぐふっ!」


だがその打撃は届き、彼は驚いた顔をしながらこちらを見つめていた。


「さあ、これで返す気になったか?」


彼は一瞬たじろいで答えるのをためらう。だが、彼は苦渋の判断の末、こう答えた。


「やっぱ、無理だね。」


だけどその時には、俺は彼の背後をとっていた。


「じゃあ、これで寝てな。」


そういって、俺は彼に渾身の打撃を放った。はずだった。


 
















 俺はなぜか彼とは距離が離れており、その事実に思わず顔をしかめてしまう。


「引っかかったね。」


すると彼は少し嬉しそうにしながら言う。


 なるほど。こいつの魔法は空間系統の魔法か。だが何だ?もし空間魔法だったら俺と同じような動きをしてくるし。


 そんな俺の推理を無視して、彼は淡々と告げる。


「俺の魔法は、テレポート魔法さ。」


「そうか。どうりで。」


テレポート魔法。もしそれが本当ならば、ユイガが言っていたこと。俺が今体験したことにすべて筋が通る。とどのつまり、本当にこいつはテレポート魔法が使えるのか。だが、俺はどんな魔法だろうと対処することができる。


「じゃあ、俺も教えてやるよ。俺の魔法は空間魔法だってな。」


次の瞬間、彼は雷魔法を放ってきた。だがもちろんただの雷魔法ではなく、俺の回避場所に合わせて雷をテレポートさせていた。だが、俺も負けじとその雷を別の空間に飛ばし、無効化する。


 そうして、俺はまたもや射程距離外で打撃をする。


「ぐっ!」


もちろんそれは彼にヒットし、そのすきを見た俺はすかさず彼の懐に入り、けりを放つ。そのまま、間髪入れずに殴打をする。


 だが、殴打をしていた、その時だった。俺の視界がぐらりとゆがむ。


「なんだ、これ。」


まさか。とおもい、俺は思わず空を見上げる。すると、魔法結界の強度が元に戻っていることに気が付いた。


「くそっ!!」


そういって、早めにケ着をつけようとするも、俺の視界は真っ黒に染められ、やがて俺は意識を失うのであった。

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