第三十八話 落ちこぼれ×最強の異色タッグ
あれからしばらくして、僕と先生は周りの状況を確認し終えていた。
「特に問題はないようです。先生は?」
「ああ。俺も問題ないと思う。」
そういいながら、僕らは視線を交差させる。答えはイエス。囲まれたか。まあ、大丈夫か。こっちには最強がいるから。
そして、『第三次試験開始の合図』がなった次の瞬間、大勢の生徒たちが一斉に僕たちめがけて襲い掛かる。
「風は、敵を引き寄せる。」
すると奴らは一か所の地点に集められ、身動きが取れなくなる。必死に抜け出そうとする生徒たちの抵抗もむなしく、先生はその圧倒的な力でねじ伏せる。
もちろん、勝者は僕たちだった。とはいっても、先生が圧倒的なだけで、僕はほとんど何もしていないんだけどな。
「ずるいぞ!教員と手を組むなんて!この、卑怯者が!しかも、なんだよそのコンビネーション、絶対前から作戦を練っていた口だろ!」
そういうが、僕はそれには動じなかった。だって、校長に命令されたから。っていうか、なんか濡れ衣着せられてんすけど。
「いや、僕たちは別に作戦を練っていたわけじゃないし、こっちにもこっちで深いわけがあってね。できれば僕も一人で戦いたかってんだけど。」
「うるさい!!過程がどうであれ、お前は結局、教員と手を組んだじゃn」
「わりぃ。黙れ。」
そういって、先生は彼を脱落させ、あざ笑うかのように生徒たちを見つめる。
「さあ、お前らどうする?俺とこいつに挑むのか、それともここから逃げるか。今なら、選ばせてやる。」
すると生徒たちは、今であれば僕らを翻弄できるほどのスピードで、逃げていった。
僕たちはもう生徒がいない確認するために当たりを見渡す。
「終わりましたね。」
「ああ。だが、少し体力を使ってしまったな。」
そういって、先生は僕を横たわらせる。
「お前は、ここで仮眠をとっていろ。」
「だけど、そうしたら先生が。」
「安心しろ。俺は別に体力を消耗していないからな。」
おいおい、あれで体力を消耗して言って言うのか。ったく、先生はやっぱり化け物だ。
そうして、僕の意識は落ちていくのだった。
俺はあれから、レイナと合流すべくただひたすらに森の中を散策をしていた。だが、足音という足音は聞こえず、ただただ俺の足音だけがその森に響き渡っていた。
「まったく、どこにいるんだよ。」
そういった矢先、俺の耳が何らかの音のキャッチした。
「爆発音か?」
もしかしたらレイナがいるかもしれない。そう思った俺は、その爆発音がした方向へと向かうのだった。
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