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第三十七話 倍化魔法

 そうして僕の視界は元に戻り、僕はあたりを一瞥する。そこは森で、あたりは静寂に包まれていた。そんな森を、僕は歩く。だが静かなせいか、僕の足音がより大きく聞こえるようにも感じた。

「とりあえず、先生と合流だな。」

そういった矢先、目の前から足音が聞こえた。その足音に一瞬驚きながらも、僕は足音がした方向へと視線を移す。

「こんなところにいたのか。」

「先生。」

どうやらあの五分は合流のためだったのか。そしてなおかつ合流相手と近くのところに転送させるなんて。さすがは校長。非の打ち所が一か所も見当たらなない。

「さて、これで合流はできたわけなんですけど、先生、どうしますか?」

「ふむ。まあ、まずは体力を温存しておいたほうがいいだろう。後半になって、組織が襲来してくる可能性も、あるわけだからな。」

 そうして作戦を立て、僕たちは接敵しないようにと身をひそめながら、周囲の状況を確認するのだった。それにしても、ユイガは合流できたのだろうか。まあ、あいつなら大丈夫か。あの魔法もあるわけだし。






 俺の視界が戻り、俺は周囲に敵がいないか確認する。

「敵はなし。か。」

そういって、俺は近くにあった川に近づき、その水をすくい上げる。この水はなかなかいい質だ。もし万が一ここで戦闘になった場合は、水系統の魔法を使おう。そう思ったその直後、10、いや、それ以上のの気配を俺は察知した。俺は思わずその気配がしたほうに目をやる。するとそこには、Bクラスの連中がいた。

「よぉ。寄生虫さん。」

「だれが寄生虫だって?」

するとそいつらは俺をからかうようにして笑う。

「おいおい、そんな怒んなよ。本当のことだろ?お前は弱いのにAクラスのトップと話したり、そいつらと同等レベルの奴と話したりして媚びを売る。そんなの、寄生虫でしかないだろ?」

「てめぇ、それ以上言ってみろ。目ん玉ぶち抜くぞ。」

「おお~~こえぇこぇえ。」

その言葉に続いて後ろにいた奴らが笑い出す。ああ。駄目だ。これ以上感情的になってはいけない。だけど、そんな理性よりも俺の怒りが上回ってしまって。

「ぶっ殺す。」

そういった瞬間だった。校長の『第三次試験開始の合図』が聞こえた。


 その合図とともに、俺は自信が編み出した『倍化魔法』を発動し、弾丸をも超えるスピードでそいつらに接近する。

「!?」

そう奴らは恐怖と焦燥が混ざり合ったような顔をし、こちらに多彩な魔法を放ってくる。だが、もちろん俺には利かない。だって、現在の俺のフィジカルは普段よりも10倍以上なのだから。

「まずは一人。」

その瞬間、そいつらのうちの一人は倒れ始める。

「お、おまえら、やっちまえ!!」

そうさっきまで俺を馬鹿にしてきた奴はそいつらに命令する。

「風邪ひくなよ?」

そういった刹那、氷の塊が奴らの腹部に直撃する。そして俺はすかさずそいつらを脱落させるために間髪入れずに打撃を入れる。すると、そいつらの周りから光が現れ、次第にそいつらを包み込んでいき、姿を消した。

「や、やめろ!!俺はCクラスなんかに行きたくないんだぁ。そもそも、なんでお前はあんな大勢の奴らを相手にしても、無傷なんだよ!」

「残念ながら。」

怒りが極限にまで達していた俺はそんな言葉を無視して、そいつに渾身の一撃を放つ。

「さっきから寄生虫呼ばわりする奴には、教えられないな。」

と一蹴するのだった。

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