第三十一話 レザー
やがて風は勢いを失った。僕はストームの中心であったであろう場所に行く。
そこには、仰向けのまま意識を失っている彼が、そこにはいた。勝った。そう理解した時には僕の意識は薄れていた。それに僕は思わず膝をついてしまう
「おい、大丈夫か!?」
「うん。問題ないよ。」
そうは言うけど、実際は限界が来ていた。だけど、意識を失うわけにはいかない。まだ、一人残っているのだから。それでも僕の意識はだんだん落ちていく。
「あ。」
そういうのと同時に、僕の意識は完全に途切れた。
俺は、意識を失った彼を横たわらせた。
「大丈夫じゃねぇじゃねえか。」
そういいながら、俺はその場所を後にする。確か、あともう一人いたな。じゃあ、そいつをぶちのめしに行くとしよう。そうおもったが、俺の背後から伝わるその禍々しい気配によって、俺の手間は省かれた。
「なんしにきたんだ?残党さんよ。」
「残党とはすこし心に来るものがあるな。まあいい。質問に答えるとしよう。俺は、仲間を手助けに来ただけだ。」
「そうかい。とはならねぇな。俺はあいにくと、仲間をここから返すわけにはいかないんでね。」
そう虚勢をはる。だが、奴から伝わるその圧は俺を精神的にじりじりと追いつめてくる。
「じゃあ、やってみるがいい。」
そうして、俺はそいつに雷魔法を放つのだが、なぜかその雷はそいつから軌道をそらした。
「なんだ!?」
そいつはいたって冷静に、その冷徹でとげのある言葉を言った。
「お前にいちいち説明するほど俺も馬鹿じゃないんでね。あえて手の内を隠すことにしよう。まあいい。ちょうど準備も終わったことだ。すこし、サービスをしてやる。」
「ほう?サービスか。じゃあ、いいサービスを期待しているぜ。」
そうしてそいつは、一度咳ばらいをしてから、告げた。
「俺の名前は『レザー』。リベレイション三大幹部の一員にしてリーダーを務めている。それでは、また機会があれば。」
そういって、レザーとザードリは姿を消した。
「くそったれ。」
そう俺は毒を吐いた。すると遠くから、誰かの声がするのだった。
そこにいたのは、先生らしき人物と、第一次試験のときに俺にボコされたCクラスの生徒がいた。
「お前は確か....。」
そう疑問交じりに言われたので、俺は少々腹が立って。
「Aクラスのオルトだ。忘れたのか?」
「ごめん。忘れちゃった。」
そういって、そいつは目の前で手刀を切りながら反省の色を見せた。
「はぁ。」
そう俺がため息をつくと、隣から
「ここで何があったんだ?」
そう問われたので、俺は話すことにした。謎の人物のうちの名前はザードリとレザーだということ。それとザードリの魔法を。そして、あいつとザードリが一緒の村にいたこと。あいつがストームを発生させてザードリを倒したこと。そのあとに事象幹部のトップであるレザーが来て、ザードリを連れ去ったことを。
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別シリーズ、怠惰で無欲な俺は普通を欲する ~なのになんで俺はこんなにもトラブル気質なんだ!?~第一話を投稿しましたので、もしよかったらそちらも読んでいただけると幸いです!!
 




