第十五話 第二次試験の予感
あれから何事もなく僕たちの授業は終わりを告げた。だが、それは放課後で起こった。僕たちは帰りのホームルームを軽く聞き流していたその時。先生が立ち上がった。
「重大な知らせがある。」
その時嫌な予感が僕を襲った。いや、嫌な予感じゃない。これは、デジャヴだ。前にも見たことがある。こうやって前もって重大というときは必ず...。そうして僕の予想は的中してしまった。
「今日からちょうど3か月後に第二次試験を始める。」
その言葉に僕は思わず驚いてしまった。だが先生はそれを無視して言葉を続ける。
「今回は前みたいなサバイバルではない。単純なるトーナメント戦だ。だが、」
そう言葉をためる。その間に僕は唾をごくりと飲み込む。
「このトーナメント戦は、いわゆるタッグ形式のトーナメントだ。だから、できる限り自身と相性がいいパートナーを選ぶんだぞ。」
そういって先生は教室から立ち去ろうとする。
「ちょっと待ってください。」
呼び止める言葉と同時に、一人のクラスメイトが立ち上がる。そして先生も足を止めた。
「別のクラスと組んでもいいんですか?」
その言葉に表情一つ変えずに先生は告げる。
「ああ。問題ない。ほかに質問はあるか?」
そういっても、ほかに質問するものはいなかった。
「そうか。じゃあ、これで今日は終わりとする。」
かくして、今日という日が終わるのと同時に、第二次試験が残り3か月を切った。
僕は、その妙な感覚のせいで目を覚ましてしまった。時計を確認すると時計は午前2時を回っており、あたりは静寂に包まれていた。
「まあ、もう一度寝るか。」
そうやって、僕は寝ようとしたのだが一向に眠りにつく気配がない。それから30分ぐらいたっただろうか、僕は寝るのをあきらめた。
「散歩をするか。」
そうして、僕は散歩に赴くことにした。
あれから20分後。といったところか。僕は湖の近くで夜風に当たっていた。その風は実に気持ちよく、まるで今までの疲れをいやすかのような感覚に陥った。そう僕がリラックスしていると、遠方から爆発音がした。
「なんだ?」
暇をつぶせるかもしれないと思ったのか、その音が聞こえた直後僕は音がした方向へと向かうのだった。
そこは地獄のような絵図だった。森は焼かれ、あちこちに動物の死体が転がっている。
「っ。」
悪臭が漂っているせいか、僕は吐き気に見舞われていた。引き返すかと少し考えたが、ここまで見てしまったからには僕の性格上、最後まで見てみたいという好奇心が勝ってしまい、風魔法で酸素を供給しつつ、あたりを散策することにしようとそう思った瞬間。背後からものすごい熱量を感じ取った。僕は恐る恐る、ゆっくりと後方へと視線を飛ばす。
「うそ、だろ?」
そう驚きの言葉を吐いたのも無理はない。だって、そこには日車になりつつもしっかりとそこに立っている人間がいたのだから。
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