日常1
あの後、飯を温め直してもらい飯を食べシャワーを浴び、床についた。
いつものことではあるが、ある程度激しい運動をしながら戦闘をするので体の疲労は多い。そのため俺の意識はすぐに落ちていった。
明くる日、昼前ぐらいに目を覚ました俺はベッドから降りて周りを見るとミレイの姿がなかった。気になって外に出て見てもいなかったので心配になった俺は少し探すことにした。まぁ多分いつものあれだろうから杞憂に終わるだろうけど。
しばらく散歩がてらミレイを探していると何やら発砲音が聞こえたので恐る恐る近づいてみるとミレイが空を跳んでいた。
────ミレイ視点────
目が覚めて時計を見てみると既に午前9時を回ったところだった。ジンのせいで寝るのが3時とかになってしまったおかげで起きる時間が9時頃になってしまった。いつもなら11時30分就寝、6時起床とかなのにあのジンったら。やれやれ。
ベッドから降りてささっと身支度を整え私は外に出た。
私の朝はトレーニングから始まる。
まずストレッチをして入念に準備体操を行い、次に走り込みをする。多分2.5Km?くらいかな。
次に射撃訓練。拠点近くでやると危ないので少し離れたところで行う。訓練用のホログラムダミー人形を出して30Mほど離れたところからピストルでヘッドショットを狙う。ダミー人形は投影している装置を中心として半径8M以内の範囲に3秒間隔でランダムに現れる。そこに30秒間でどれだけ当てられるかという代物だ。かなり難しい。これを10セット行う。
これが終わると最後の訓練としてECを使った魔法などを組み合わせダミー人形との戦闘だ。ここからは何でもありの訓練となる。10分1セットで戦闘する。ダミー人形は個々に銃を所持しておりこっちに向けて撃ってくる。もちろん銃弾はホログラムだが。これがまぁ大変なのだ。バンバンこちらに向かって撃ってくるのだ。ほぼ弾幕である。このホログラム等、戦闘訓練用の装置を作ったのはジンなのだが憎たらしいことに妙に動きがリアルで現実に近い戦法を取ってくる。例えば塹壕みたいなものを作ってきたり鉄条網を作ってきたり果てには地雷まで撒いてくる。ちなみに今は屋外戦仕様だがもちろん屋内戦仕様も存在する。その場合はホログラムで壁を投影する。もし壁を突き抜けて当たった場合でも判定では当たってない判定になるのでそのあたりきっちりしている。
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「さて。」
射撃訓練が終わり軽く休憩もしたしやりますか。
「Boot Element Changer. Change training system ID 003 to 004. Mode out field. Set time 600 seconds. 」
「waiting for your start commond・・・・・・」(トレーニング機械)
「うん。セット完了。あとは私の準備。Cause armor by wind element. Summon wind shoese and Charge power. Summon device number ID 001 to OO3.」
手元に召喚された自分の愛銃を担ぎ残り2つの装備を身につける。一つはワイヤーフック。もう一つは愛剣だ。 手首にワイヤーフックを身に着け愛剣を背中に背負う。
「よし。装備完了。始めますか! Burst wind! / Order! start programs!」
溜めた風のエネルギーを開放し、宙に浮かび上がってワイヤーフックを射出しアンカーを周りの木に貼り付ける。それと同時に訓練開始の式句を唱え戦闘ボットを召喚。訓練開始。
────ジン視点────
「お〜だいぶできるようになったもんだなぁ〜」
ミレイが訓練し始めてからずっと見ていた
訓練し始めた頃に比べて随分できるようになったもんだ。当時なんて風の制御を間違えて飛べなかったり吹き飛ばされて木の枝にぶつかったり果ては成層圏まで吹っ飛んだからなぁ。見てると制御を間違っていることもないし敵の攻撃もきっちり防いでる。
まだ荒削りな部分は見えるが・・・・・・まぁこの分なら実戦に出してもそろそろ問題ないだろう。だが、まだ無理だ。なぜなら
「殺し」を知らないからだ。
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───ミレイ視点───
5分1セットで30分ほど経った頃下から声が聞こえた。
「おーい、降りてこーい!そろそろ飯にするぞー」
「はーい!今行く! ごめん!忘れてた!」
無心で訓練していたらもうお昼を過ぎていた。今日は私の当番だったのにすっかり忘れていた。
私達は生活する中で当番を決めている。まぁジンがいるとき限定だけど。
端的にまとめると料理、掃除、洗濯、武器その他メンテナンスすべて日替わりだ。ちなみに私は武器その他メンテナンスについては一通り教え込まれているので特に問題はない。
地面に降りてジンのところに向かうとふとこんなことを言われた。
「今度略奪系のレギオンの討伐に向かうんだが一緒に来るか?」
その言葉は私が訓練を始めた頃から待ち続けた言葉だった。