後始末と帰還
特に何の罠もなくすぐに制圧完了した。
警戒していた司令官型の存在もなかったしよかったよかった。
・・・・・・・
いや、まてよ。スムーズすぎる気がするようなしないような・・・・・・・?
一応強化レーダー魔法しておくか。
説明しよう!「強化レーダー魔法」とは!?(以下、作者の趣味なので飛ばしてもらって構わないです。)
いつもはCause radarと唱えるだけでレーダー魔法を発動できるようになっている。これはレーダーという術式パッケージが予めデバイス側に設定されているため即発動できる。また、このレーダー魔法は処理簡略化のためにかなり範囲は狭くまた感知性能も低めになっている。
そんなわけで司令官型や、隠密型のような隠密性能の高い相手となると感知が厳しくなる。(できなくはないが位置が曖昧になったりunknown表記になる)
よってその時の天候や時間帯、地形や地質に合わせてイチから術式を組み立てることにより強化されたレーダーを使えるようになるのだ。
「天候は晴れ、時間帯は76530、地形はおおかた平面、気圧は・・・1030hpa。地質は・・・砂と礫か? よし。」(彼は超人ではありません。気圧は機械で測ってます。どこぞの名探偵のように舐めたり感じるだけでわかることはできません。)
───────Cause radar and set option weather,time,terrain,barometric pressure,Geology
発する言葉に応じてバイザーに出てくるウィンドウに入力していく。
正直なところここも自動化してもいいのだけれどそれにつぎ込む労力があるなら別のところにつぎ込みたいのが現状だ。あとそこまでやろうとすると計算リソースが足りなくなるし単にめんどくさい上に基本は通常レーダーがあれば十分という理由もある。
入力が終わり実行コマンドを入力する。
───────execution!
瞬間、地面に俺を中心として魔力の波紋が広がっていく。
「うーん、やっぱり見つからないか。・・・・・・・ん?なんか出た?・・・・・・なんだジャマーか。」
やはり何も見つからなかったのでレーダーのウィンドウを切る。
「しょうがない。まぁ大丈夫だという結論にしておこう。さて、パーツ集めのお時間だ」
ドローンのパーツはどれも高性能で特にモーター、発電機部分が優秀すぎる。例えば1の燃料を入れるとその発電機は100の電力を出し、モーターも1の電力を入れれば1000回使えるという性能だ。
その他にも制御部分や重機系、鋼鉄もどれをとっても非常に優秀だ。
まぁ軍からしてみればこれは普通なのだが我々にとってはどれも非常に有用性がある。
さらにこれらのパーツはレギオンに持っていけば食料や水、生活用品などと交換することもできる。
そんなわけで、とりあえず回収に行きます。
─────────数時間後
とっくに日が暮れ、暗視機能を使いながらなんとか回収を終えることができた。
「あーまずい。これは怒られるなぁ・・・・・・」
俺には一緒に生活している妹みたいなやつがいる。
そいつはまだガキなので俺が養っているんだが随分としっかりしていてもはや俺は尻に敷かれているようなものになっている。なのでいつもおおよその帰る時間帯を伝えているわけなんだが今日に限って大幅にオーバーしてしまった上にパーツ集めに夢中になって連絡の通信すら入れなかったためカンカンだろう。
今回のパーツ集めは一応あいつのためにやっているようなものなので許してもらえるはず・・・・・・
「まぁうだうだ言っても仕方がないしなぁ」
帰るか。
バイクで約二時間ほど走り、拠点につく頃にはもう深夜3時だった。
俺の拠点は自作のキャンピングカーに牽引式の貨物トレーラーをくっつけた移動式拠点で本拠点は別にある。外見は俺の趣味がちょぉっと入ったメカメカしい見た目でかなり大型のキャンピングカーだ。貨物トレーラーは装備の点検や旅のための荷物が入っている。ちなみに周りには野盗やドローン対策ようにドローンが周回しているので、ただの野盗程度ならどうとでもなるし、そのついでとばかりに自動で狩りもしてくれている。何ならトレーラーの上にはレーダーが乗っかってるので戦闘ドローンがレーダーに引っかかり次第逃げられるようになっている。あいつには一通り使い方などは教えてあるので困ったことがあれば暗号チャットなりなんなりで伝えられるようになってるし何なら戦闘のときのオペレーターにもなってくれる。
いつもの生活サイクルならこの時間は寝ているはずだが・・・・・・。なぜかキャンピングカーには明かりが灯っていた。
キャンピングカーの横にバイクを停めてキャンピングカーの扉を開けると
「遅い。どうして遅れたのかしら? 晩ごはんもう冷めちゃったわよ? ちょぉっとそこに御直りなさぁい?」
と、案の定すごぉーくいい笑顔でどこぞの青セイバーの如く床に高周波ブレードを突き立てて仁王立ちしていた。
とりあえず刺激しないようにお縄についてそいつの前に正座しておく。
名をミレイ。年齢17歳。身長163cm。性格は冷ややか。体重よんjy
ぱんっ!
叩かれた。とりあえず大げさに主張しておく。
「いたぁい!」
「・・・・・・余計なこと考えたでしょ」
「ハハッ」
気を取り直して。
俺の想定によると一般成人女性よりも大きめのスリーサイズはB83CM,W58CM,ひっp
がんっ
殴られた。どうしてこういうときだけミレイ=サンは勘がいいのだろうか。いやまぁ、その点を見込んで時間稼ぎのために余計なことを考えたのだが。それはそれとして大げさに主張しておく。
「暴力反対!」
「・・・・・・ふん。それで?」
鼻で笑われた。
なにか言い逃れはできないだろうかと考えたが言い訳した瞬間に眉間にマリアナ海溝よりも深ぁいしわができること間違いないだろう。なので冷や汗を垂らしながらも正直に答えることにした。
「・・・・・・パーツ集めです。」
その言葉を聞いたミレイはため息をついて一息分ついてから
「そんなことだろうと思ったわ。で、あれでしょ? 私のために集めてくれてたんでしょ? 不本意だけど今回は無罪とするわ。もう何回言ったかは覚えてないけど気をつけてね。心配するこっちの身にもなって頂戴。『する』ことよりも『待つ』のほうがよっぽどつらいんだから。」
そんなことを言われては反論できないのでおとなしく観念して
「善処します・・・・・・・」
と、ひねり出すように言った。
「さて、そんなことより席に付きなさいな。いま温め直してあげるから。」
「ありがとう。」
この切り替えの速さはミレイのいいところだ。