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第8章 アイドル・ダンジョン 邁進中  作者: みーたんと忍者タナカーズ
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「だから埼玉武道館じゃなくて日本武道館だってばあー」

 あかりんは半分がっかりしつつ、半分ホッとしていた。

 お茶の間博士に武道館を乗っ取られた出来事も消え失せたのだ。

 そしてリンちゃんがお茶の間博士にステージ場からプロポーズをすることも無くなった。

 本当になくなったの?

 多分……………………。

 時間が巻き戻っただけだ。

 何一つ変わってない。

全然解決してない。

 結局明日が来て、武道館ライブの日が来て、

「私、感謝したい人がいるんです」とリンちゃんが叫ぶ可能性は消えてない。

「結婚しような!」とお茶の間博士が叫ぶことが避けられたに過ぎないのだ。

 つまりもう一度同じ時間を繰り返し、

「今日の武道館をもって、アイドルをやめて、ハゲのおじさんと結婚しようと思います」

 そうリンちゃんが叫ぶ未来は残されている。

「結婚してください。お茶の間博士」

 潤んだ目でマとパカリンが言う。

 悪夢だ。

 絶対阻止してやる。

 お茶の間博士と親衛隊を武道館に入れないようにしないと。

 お茶の間博士親衛隊……………………。

 名前なんだったっけ?

 オチャノーマ?

 ちょっと違う気がする。

 オチャノーマ・サマーだ。

『恋のうんちスター』とか歌ってたよね。

 なんか違うなあ……………………。

『恋のウンチングスタイル』

 確かそんな曲名。

 それと催眠術。

 あの子たち、催眠術にかかってると思う。

 だって若い女の子がうんちの歌は歌わないよね。

 浣腸してトイレに駆け込む歌なのかな。

「ふふふ、浣腸しよう」みたいな歌詞あったよね。

 お茶の間博士が書いたのかな?

「お下劣だわ」

リンちゃんはすでに催眠術をかけられてるのかもしれない。

 催眠術を解くのってどうするんだろう?

「教えて東大脳」

 東大脳は答えない。

「使えないなあー」

「催眠術は東大では教えません」

 東大脳が返事をした。

 あら、便利ね。

「ただ、深層心理にもぐり込んで武道館で緑のサイリュームを見たら発動するみたいな催眠をかけてる可能性は考えられます」

「なるほど」

 そうだとしても武道館のライブでないと発動しないとしたら阻止できる。

 武道館に入れなきゃいいのよ。

 警備員にチェックさせよう。

 見てなさい、お茶の間博士。

 あなたの計画は露呈してるんだからね。

 いや、まずい。

 喪服チャンってハゲプロの大ファンだった。

 オチャノーマ・サマーを見た時の喪服チャンのはしゃぎっぷり。

 あれはヤバい。

 オチャノーマ・サマーを喪服チャンが武道館に招待しかねない。

 そうなると誰も阻止できない。

 どうする、私。

 ていうか、どうしてリンちゃんなの。

 普通プロポーズするならあかりんでしょ。

 アイドルで一番可愛いあかりんを差し置いて、あんな田舎くさいマとパカリンを選ぶなんてさ。

 あかりんがプロポーズさせられると思ったからタイムリープを何度も試みたんじゃない。

 おかげであっちこっちアザだらけよ。

 て言うかなんでこんなに必死になってるの。

 あかりんじゃないんだし、リンちゃんが虹コングを辞めるだけじゃない。

 別にあかりんの可愛いが変わるわけでもないのに。

 リンちゃんがあのハゲの餌食になるだけでしょ。

 オチャノーマ・サマーと一緒に緑のサイリュームを振るだけじゃない。

 ほっといてもいいんじゃない。

 そうよ、あかりんには関係ないし……………………。

 別にいいしぃ~。

 木の上からタランチュラが落ちてきた。

「キャー!」と悲鳴をあげるマとパカリン。

 リンちゃんのボヨヨーンがあかりんの腕を通して全身を駆け巡る。

 快感!

 フワフワのもちもち。

 リンちゃんを私の抱き枕にしたい。

「ねえ、蜘蛛だよ」

 あかりんは上目づかいのリンちゃんに見つめられる。

「よくなーい!」

 全然良くない。

 このマシュマロをあのお茶の間博士なんかにあげるわけないじゃん。

 リンちゃんのもちもちはあかりんのものだからね。

 あかりんは「シュー、シュー」と声をあげてシャドーボクシング。

左右を警戒する。

「タランチュラは上だよ」

 リンちゃんが言った。

 

 木の上からタランチュラが降り注ぐ。

 何、これ?

 ミニゲーム?

 あかりんはタランチュラをパンチ。

タランチュラが1匹。

 タランチュラが2匹。

 タランチュラを叩くたびにリンちゃんのボヨヨーンのサービス。

「癖になりそう」とあかりんは大きなため息。

 あかりんはヘラヘラ顔でパンチ、パンチ、パンチ。


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