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みーたんと忍者タナカーズ 連載中 で検索。
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そろそろ引っ越しします
前に写真を貼って、管理画面に入れなくなったから写真を貼るのが躊躇われる。
また立ち入り禁止にされるんじゃないかと。
そうなったらまた考えないと。
あんまりこったブログにできそうにない。
「お願い!このことはみんなには黙ってて!」
ルリルリがお茶の間博士にお願いする。
その弱々しい声に少し緊張がほぐれた。
いくら強いって言っても所詮女だ。
羽交い締めならできそうだ。
大体なんだ、右目に眼帯って。
中2病じゃないか。
オタクだったんじゃないのか?
オタクにスポーツができるはずがない。
だとしたら見かけ倒し。
いや、例外もいるかもしれない。
これはオタクへの偏見だ。
アニメを見てスポーツを始めたプロはいっぱいいるじゃないか。
「お願いします」
上目づかいでルリルリがお茶の間博士を見つめてる。
ずいぶん下から出てくるな。
あんなに強いのに……………………。
「うっ!私の中に」
ルリルリは胸をおさえてる。
「私の中に何かが入ってくる」
心配になって手を伸ばすお茶の間博士。
「闇の力が私の中で暴走し始めた」
これは……………………。
改めてお茶の間博士は思った。
ルリルリはただの中2病だと。
「このままじゃ私、闇に飲み込まれる」
ルリルリは右目を押さえてる。
「この男を殺せというのか?」
何をやっているんだ。
誰と話している。
「私の中のダークマター」
ルリルリが叫ぶ。
「ダークマターに飲み込まれる」
胸をおさえるルリルリ。
「メタモルフォーゼ!」
ルリルリは左目の眼帯をはずす。
真っ赤な右目!
カラコンである。
「私の中の邪神をおさえることができそうにない」
その目は殺気すら感じた。
はっ!これはヤバい!
中2病はフェイク。
油断したところをワンパン一発ノックアウト。
あのボコボコの男を見たじゃ無いか。
あれこそ邪神の力。
この子は本物の魔女と契約を交わしているのだ。
後ずさるお茶の間博士。
きっとそうだ。
あの首からぶらさがったチェーンは凶器。
あれで首をしめられたらおしまいだ。
指先にはメリケンサック。
ルリルリがお茶の間博士に近寄ってくる。
来るな、来るな。
お茶の間博士は恐怖で身動きがとれない。
ルリルリが包帯をほどく。
真っ白な手が現れた。
なんだ、ファッションか。
じゃあ、この不気味さもファッション。
恐るるに足りず。
いきなりルリルリの右手がお茶の間博士の顔面を捕らえる。
アイアンクローである。
鷲づかみにされた顔が音を立てる。
ギリギリと音が耳に聞こえる。
両方の耳の穴から血が垂れる。
ルリルリはこめかみの急所をグリグリと締めあげる。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」
あまりの痛みにお茶の間博士は声をあげる。
平衡感覚が保てない。
お茶の間博士の両方の目から血が溢れ出す。
目の前が真っ赤に染まる。
「今見たことは絶対に秘密だよ」
ルリルリが指を口に当てる。
気がつくとルリルリはお茶の間博士の背後にまわっていた。
首に長く伸びたうさ耳が巻かれてる。
そのうさ耳を締めあげるルリルリ。
ルリルリの背中の上でエビそりのお茶の間博士。
足が宙に浮く。
「くくっー、苦しい」
首がしまって呼吸ができない。
お茶の間博士は必死に指を入れる。
しかし締め上げはとまらない。
そしてルリルリは力を抜いた。
ゼエゼエと息をするお茶の間博士。
ゴホゴホと咳き込む。
「今夜のことは2人だけの秘密だよ♡」
「わっ、分かっているよ」
お茶の間博士は震えがとまらない。
せっかくの萌えゼリフが恐喝にさえ聞こえる。
扉の向こうでヤクザが隠れていたとしてもこれほどの恐怖は感じまい。
「別に今のことでどうこうしようとは思ってないんだ」
「よかった。オジさんが紳士で」
ピョンピョンとうさ耳を手でつくってジャンプするルリルリ。
「ああ、秘密は守るよ、絶対に」
「ありがとう♡好き好き♡だーい好き♡」
ルリルリはうさ耳でさらにジャンプ。
「このことはお墓まで持って帰ってね」
ルリルリの拳が壁を破壊する。
「よろしくね♡」
震えるお茶の間博士。
「お口チャックだよ」
口を真一文字に塞ぐお茶の間博士。
「ほんとうかな?」
ルリルリが下からお茶の間博士を疑いの目で見あげる。
「ルリルリが勝手に心配して、勝手に自爆しているだけだよ」
お茶の間博士が震える声で言った。
ルリルリのかかと落とし。
当たる直前にとまる足。
スカートの中のアンダースコートが丸見えである。
「見たな!」
「見せたんだろ!」
そう言って慌てるお茶の間博士。
「うそ、うそ。何も見えてないから」
「オジさんのエッチ♡」
ルリルリはスカートを手でおさえてる。
「絶対このことを口外する気は無いよ」
お茶の間博士はそう言った。
「うそ。絶対にウソだ。そんな顔してる」
覗き込むルリルリが微笑む。
「私のパンツが水玉だって言いふらす気でしょ」
「だから見てないって」
「本当かな?」
「失礼な。僕は口がかたいんだぞ」
「要求はなんなの?」
「そんなの無いって」
「オジさんのうそつき。絶対ウソ」
「ホントだよ」
「私が男に恐喝されてることをばらす気ね」
「そんなことしないって」
て言うか脅されてるのはこっちだって。
「待って!あなた、私がアイドルしてることも知ってるのよね」
「うん、知ってる。オチャノーマ・サマーだよね」
お茶の間博士は誤魔化しきれないと思った。
「まさかライブに来たことあるの?」
「この前初めて」
「へえー……………………、オタクなのね」
ルリルリが上から下まで見渡す。
「そうです。僕はオタクです」
「じゃあ、これからも仲良くしましょう」
「もちろん」
「そう言えばその髪型、うっすらと覚えてる」
「いやあー、今は忘れてもらいたい」
「待って!ロココの列に並んだでしょ」
「はい。並びました」
「ロリコンなの」
「いえ」
「スミレの列にも並んだでしょ」
「はい」
完全に覚えられてる。
「そのハゲで浮気?」
「はい、ごめんなさい」
「悪いことすると隠せないわね」
「すいません、つい魔がさして」
「そうだ、このこと、メンバーにも秘密だよ」
「もちろんそのつもりです」
「ウソ!オチャノーマ・サマーのみんなに話すんでしょ」
「だからそんなことして何の得があるんだ」
「信じられない」
「絶対に喋らないよ」
「私が魔法少女のコスチュームを着てることバラしたら殺す」
「もちろんだよ」
「メンバーに心配かけたくないの」
ルリルリは涙目で訴える。
そして膝を抱えて丸くなる。
「私がこんなブリブリの格好をしてるのバレたら……………………」
オチャノーマ・サマーのイメージを守るためなのか?
なんだ、いい子じゃないか。
やっぱりルリルリが本当のルリに違いない。
「キララに馬鹿にされる」
待てよ、逃げるなら今のうちだ。
そっと逃げようとした。
黒猫がお茶の間博士の足下に絡みつく。
なんだよ、この猫。
お茶の間博士が猫を蹴ろうとすると、ルリルリが立ち上がる。
大急ぎで逃げ出す黒猫。
「特に御城スミレには弱みを握られたくないの」
お茶の間博士を睨み付ける。
2人は仲が悪いのだろうか?
「ロココも路線がかぶってるし」
なんの心配?
「分かったわ。あなたもチケットがほしいのね」
「いや、いらない」
「なんですって!」
ルリルリが首からさげたチェーンを振り回す。
「私たちのライブのチケットがもらえないっていうの」
「いえ、ください。お願いします」
「じゃあ、あげるね」
ルリルリは笑顔でチケットを手渡した。
「絶対来てね」
「もちろん」
「それと推しは私1人にしてよね」
「もちろんだよ」
「スミレとロココの列には並ばないでよね」
ライバルなんだろうか?
「僕は「病ンデレるり」が一番だから」
「病ンデレるりって、その呼び方、本当にファンなんだ」
「もちろんだよ」
ルリルリの顔が青ざめている。
病ンデレるりはラッパーとしてのバトルネームである。
「私のブリブリの格好見てどう思ったわけ?」
「可愛いって思ったけど……………………」
「あなた、どこかで見たような…………………」
じっとお茶の間博士の顔を見る。
そして首をひねる。
「誰だっけ?」
「おい!常連だぞ」
思わず言って後悔する。
ルリルリは頭頂部を見ている。
「どこだっけ?」
「多分握手会」
じっとお茶の間博士を見つめるルリ。
「あなた、お茶の間博士」
ヤバい!バレた。
「最初からアイドルのこと、気付いてたの?」
「途中からなんだけど……………………、地下鉄のポスター……………………」
「ああ、あれ?」
「そうです」
「あんなのが効果あるんだ」
「あまりにもルリルリに似てたんで」
「よくわかったわね」
「一応、科捜研に勤めてますから」
「香川県?」
「科捜研です」
「なんだかよくわからないけど、神奈川県なのね」
「まあ、そんなとこです」
「だから握手会に来たの?」
「まあ、そうなんだけど……………………」
「私をどうする気?」
「どうもしません」
「縄で縛ってムチで叩きたいわけ!」
「そんなんじゃあー」
「分かった。あなたの目的が」
「別にただアイドルの握手会に行っただけです」
「ウソ。私を拘束してアイアンメイデンでブッ刺すつもりでしょ」
「そんなことしないって」
「食事を与えず餓死させる気ね」
「なわけあるかい」
「串刺しにしてさらし首にする気ね」
「病んでるんですか?」
「病ンデレるりだから」
「ちょっと怖いです」
「なんでアイドルだって気付いたの?」
ルリルリは十字架のペンダントをお茶の間博士のおなかにブッ刺した。
「それは気付くって」
同じ顔だし。
科捜研だし。
「絶対に秘密だからね」
ルリルリが顔面すれすれにパンチ。
お茶の間博士の頬から血が流れ落ちる。
「もちろんです」




