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「よっこい庄一!」
清水が原作者の部屋に忍び込んだ。
相も変わらずお花畑に行ってるようだ。
「あった、あった、いつもの場所にゲスノート」
清水が辺りを見渡してペンをとる。
「まったくなんなのよ。鼻の穴にサイリュームってどう考えたって私でしょ」
清水が怒りながらページをめくる。
結局若い子の方が好きなんだ。推し変よ、推し変。
私がアラサーだから若い子に乗り換えるんだ、きっと。
大体最近私の出番少なくない。
「あった!」
その先にも文字が書いてある。
大雑把なあらすじのようだ。
文字を読む。
なんなの、これ!
オチャノーマ・サマーがメインになってる。
て言うか、私たちの扱い雑じゃない。
全然、出てこないじゃないの。
虹コングは?
ページをめくる清水。
もう飽きたんだ。
ああ、こうやって女を捨てるんだ。
サイテー。
大体何?
オチャノーマ・サマーの扱いズルくない。
虹コングのメンバーのこと、可愛いなんて言ったことあった?
あかりん先輩は自分で可愛いって言ってたけどさ。
それくらいじゃない?
それにくらべて何?
ずいぶんカワイイを連発するじゃない。
そんなに可愛くないわよ。
平均じゃない、平均。
アレが平均なら虹コングは平均以下ってこと!
失礼な。
ああ、もう、やっぱ若さには勝てないんだ。
光源氏にでもなったつもり?
平安時代なら20歳過ぎたらおばさんだけどさ。
今どきのアラサーはまだまだひよっこでしょうがあー。
清水はノートをチェックしている。
キャラ設定かあー……………………。
キララと西崎のサンキューセットね。
『この二人うまれは違えど名前はくりそつ。
それゆえ意気投合。
東のサンキューはキララ397。
西のサンキューは西崎39。
勝手な取り決めを交わしていた。
世はアイドル戦国時代。
歴戦のつわものどもが集いし現代。
ファンを取り合わないように勝手に線引きをした。
世にいう『天下2分の計』である。
やがて二人は関ヶ原で戦うことになるのだが……………………。
それはあとのお話。
いや、タイムリープで歴史が変わる可能性があるので要約しておこう。
「ファンの数」
キララ397……………………10万人。
西崎39……………………5万人。
圧倒的不利の状況で始まったファン投票。
それは毎年夏に行われるアイドルフェス関ヶ原歌姫合戦の舞台で行われた。
結果、劣勢とみられた西軍が小早川という強力な推しを味方に引き入れ、圧勝。
勝者西崎は鶴翼と呼ばれる翼を広げて舞台を飛び回る。』
なんなの!このあらすじ。
いらないよ、全然。
あらすじでしょ。
これをベースに書き足すんでしょ。
これじゃあ、しばらく虹コングの出番なくなるじゃないの。
「消しゴムでけしてやる」
清水が消しゴムでゲスノートの文字を消す。
「ああ、面倒くさい」とゲスノートを破いて飲み込んだ。
「これで良し」
「つまんない部分は私が直しておいたわ」
それより私の出番を増やさないと。
鼻にサイリュームをさすのは清水に直しましょう。
「あれっ!おなかが痛い」
ヤバい!トイレに行きたい。
清水は全身が震え出す。
ノートを持ち上げるも震えておとす。
するとページがめくれる。
ずっと先のあらすじが出てきた。
「ちょっと待って!なんなの、これ!」
清水は机を叩く。
「ああ、モォー!漏れそう」
モォー、我慢できない。
とにかくトイレ。
清水は部屋を出る。
お花畑の時間です。
ああ、幸せ。
そして清水はすっきりした顔で戻ってきた。
「ああ!また来たー!」
これってゲスノートの祟りなの?
慌ててお花畑に駆け込む清水。
戻ってくると怒ってる。
それよりアレって何なのよぉー?
「私たちの未来!サイテーすぎる!」
「いったい虹コングをどうする気なの!」
「ああ、モォー。まただ!」と清水はお尻をおさえながらお花畑に駆け込んだ。
読みにくいのは承知で、そろそろアップするのをブログだけにしようかな?
検索すると。「みーたんと忍者タナカーズ 連載中」と入力しないとひっかからないでしょう。
アドレスは
https://www.naokiss2001jp.com/
これをコピペすると出るんだけど……………………。
そのうち完全移行しようかな?
とは言え、ブログもサーチエンジンが文句を言ってるのでどうしたもんかなあー
たまにはブログの方も見てみてよ。
めっちゃ読みにくいから。