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魔王「トール」

よろしゅう

 俺は、異世界「ファブニール」と言う双子の神「ネダ」と「ナダ」が遊戯のために作った人族と魔族が争う世界で魔王として、神「ナダ」によって作られた。


 それから20000年「攻めてくる人間を破壊し続ければいいから」との創造主からの命令を全うし続けた。魔王城でただ1人……


 しかし、所詮創造物は創造主に逆らうことはできない。


 「お前。強すぎるよ。もっと勇者と死闘を演じてくれなくちゃ私たちが面白くない!つまんない!いつも無表情で私がハンデのつもりで魔力を使えなくしたりしても勇者に勝っちゃうし……お前もう要らないから……新しい魔王は用意したから消えて」


 ナダが手を振りかざすと魔王の俺でも逆らえないブラックホールが出現して、飲み込まれてしまう。


 この魔法は、攻撃対象を異空間へと飛ばす。どこに飛ばされるかは術者でもわからない。


 「うわ!魔王の顔が伸びて間抜けな顔になってる!あははは!ウケる!じゃあね!最後は創造主の私を楽しませることができて良かったね。バイバーイ!」


 手を振る神を見る。


 (これも創造物としての定めか……だが、)


 俺は、自分の運命を受け入れるようとするが、


 (おれは、あなたの命令を全うしていただけなのに……)


 と、現実を受け入れられない気持ちとでぐちゃぐちゃになっていた。


 俺は、現実を受け入れられないまま意識を失う。


 

 どのくらい意識を失っていたかわからない。


 「シャア!フニャア!」


 と、目の前には俺を威嚇しながらゴミを漁る生き物に、周りには、ファブニールで見たことがない灰色の建物、遠くには、行き交う人族共がみたこともない服を着ていた。


 「……夢ではなかったのだな。俺は本当に捨てられたのだな……」


 俺は、ファブニールで見たことがないものばかりの景色を見て確信する。


 空を見上げる。空は曇っていて、雫が降ってきた。


 この光景は、俺の心の中と同じだった。


 (どうしてだ……俺はただ命令を全うしていただけなのに……)


 そんな答えの出ない自問自答を繰り返す。


 そのうち、俺の目から何かが流れ落ちた。それは、雨のせいかもしれないが、今の俺にはどうでもよかった。


 どれくらい経ったのか。


 時折り、人族が近くに来て笑いながら、何か四角いものをむけてきた。


 「あ、いたいた!本当に路地裏にいたよ!冗談かと思ってたけど本当に段ボールの中でうずくまってるよ!ウケる!」

 「うわぁ……拾ってくださいって書いてあるよ?どうする?」

 「え〜。どうしようかな?顔はイケてるし、引き締まったいい体してるけど、汚いからいらな〜い!」

 「だよねぇ。写メったら帰ろう」


 と、話しているのが聞こえてきた。


 (捨てられた俺にはお似合いだな……)


 全てがどうでもよかった。


 だが、金色に所々ピンクの派手な髪をした女が俺の前に現れてから、俺の人生?は変化していくことになった。

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