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ファンファーレ  作者: 菅原諒大
第五章 夢見る少女じゃいられない
73/100

5-14

「桜が咲いたその後で、新緑芽生えるこの季節。夢か現か栄光へ、春風戦ぐ中山の舞台。

『第82回皐月賞』、出走馬十八頭の本場馬入場です。

 挙げた二勝はどちらも今年の物。流星の如く現れた超新星、勢いそのままにGⅠに挑みます。1枠1番リュウセイライナー。大村(おおむら) 流星(りゅうせい)との『リュウセイ』コンビです。

 出走数八戦はメンバー中最多。その分積み上げた苦労を、今こそ力に変える時。1枠2番マイベストフレンド。初出走時からの戦友、只野(ただの) 遼一(りょういち)と共に挑みます。

 四〇八キロの馬体に宿る大きな執念。侮るなかれ、そのフルスロットルこそ実力の証。2枠3番ポケモーター。馬場厩舎の兄弟子平坂(ひらさか) 光輝(こうき)が運命のハンドルを握ります。

 五戦五勝の『無敗の女帝』。七十四年振りの栄光に向けて、紅一点が駆け抜けます。2枠4番カコノローレル。馬場厩舎の妹弟子早乙女(さおとめ) 風花(ふうか)にその全てが託された。

 西の一等星は東の空にも輝くか。中山二〇〇〇メートルの屈辱を、今こそ晴らす時が来た。3枠5番シノノメアルタイル。鞍上は相性抜群勝浦(かつうら) 伸之(のぶゆき)です。

 馬名の由来は映画『キングスマン』の名台詞。華麗なるその末脚で、優雅にGⅠ初制覇を狙う。3枠6番マナーメイクスマン。ジェントルマン早乙女(さおとめ) 隼人(はやと)がエスコートします。

『もう少し頑張れ』とはもう言わせない。三度の負けを覆す為、この一戦に全てを賭けます。4枠7番ヤタノポートレイト。さあ、頼んだぞ(じん) 卓馬(たくま)

 その漆黒の輝きはまさに王者の風格。父親が獲れなかったGⅠの無念を、息子が晴らしに向かいます。4枠8番セトナイトブラック。鞍上は父親にも騎乗した足立(あだち) 勝利(かつとし)です。

 標的をこれと決めたこの馬は怖い。虎視眈々と狙うのは、(じん) 祐馬(ゆうま)厩舎初のGⅠ制覇。5枠9番ロッキーロード。期待の若武者矢吹(やぶき) (はるか)が手綱を握ります。

 衝撃の新馬戦から満を持してのGⅠ出走。レコードホルダーが今日も翼を広げます。5枠10番ダイヤンフライヤー。ステファノ フェラーリが鞭を飛ばします。

 前哨戦を使わず『皐月賞』に直行した一頭。この曇り空の中、思い描くのは晴れやかな勝利のみ。6枠11番スカイキャンパス。幸徳(こうとく) 晋平(しんぺい)が勝利への道筋を描きます。

 季節外れの木枯らしか、早くも熱狂の秋の到来か。今日の主役は譲らない。6枠12番コガラシイチゴウ。鞍上(じん) 龍馬(りょうま)、新たな乱世への挑戦です。

『初心忘るべからず』、この馬名にはそんな想いが込められています。いざ、伝説への第一歩。7枠13番レジェンドビギナー。生ける伝説道重(みちしげ) 駿(はやお)とタッグを組みます。

 その馬名から人気となったアイドルホース。GⅠ制覇を待つファンの明日の為に走ります。7枠14番ヨゾラノムコウ。川瀬(かわせ) 周作(しゅうさく)が星に願いを届けます。

 後方最内直線勝負なら誰にも負けない。愚直な勝負スタイルで、今日も突破口を開きます。7枠15番ダンガンストレイト。こちらも期待の若手風早(かざはや) 颯也(そうや)が騎乗します。

 大逃げ一人旅はGⅠという北極星を目指して。いざクラシックの大海原へ出航の時。8枠16番キャプテンポラリス。今日も伊舎堂(いしゃどう) 直道(なおみち)が強気の逃げを主張するか。

 短距離に続いて中距離制覇を目指すのはこの馬。8枠17番ロックスカッシュ。『中距離を選ばない理由はない』。こう発言した早乙女(さおとめ) (すすむ)をその背に乗せて。

 出走すればすべて三着以内の狂戦士。今日はどの脚質で挑むのか。8枠18番ユウショウオリオン。フィリップ ルノーの剛腕が光ります。

 以上十八頭で争われます、GⅠ競走『皐月賞』。発走時刻は十五時四十分です。発走までもうしばらくお待ちください」

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