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ファンファーレ  作者: 菅原諒大
第四章 無敗の女帝
57/100

4-11

「春の息吹を感じるここ中山競馬場。そこに芽吹いた若武者たちが、『皐月賞』への切符をかけて戦います。

『第71回フジテレビ賞スプリングステークス』、出走馬十三頭の本馬場入場です。

 1枠1番。連戦連勝の〈無敗の女帝〉。紅一点が七十四年ぶりの栄光へ向けて。

 カコノローレル。鞍上早乙女(さおとめ) 風花(ふうか)

 2枠2番。負けた二戦はいずれもハナ差。クラシックへ向けて三度目の正直となるか。

 ヤタノポートレイト。鞍上(じん) 卓馬(たくま)

 3枠3番。狙った獲物は逃がさない。虎視眈々と一着を狙うのはこの馬。

 ロッキーロード。鞍上矢吹(やぶき) (はるか)

 4枠4番。もう『脇役』なんて呼ばせない。今日こそ一着を掴めるか。

 シノノメアルファ。鞍上勝浦(かつうら) 伸之(のぶゆき)

 4枠5番。ここに来るまで七戦一勝。苦労馬の実力を見せつけろ。

 マイベストフレンド。鞍上只野(ただの) 遼一(りょういち)

 5枠6番。逃げ切り一人旅はまだまだ続く。いざ『皐月賞』という名の海原へ。

 キャプテンポラリス。鞍上伊舎堂(いしゃどう) 直道(なおみち)

 5枠7番。勝ち鞍は全て一八〇〇メートル以上。その鋭い末脚で直線勝負に挑め。

 ダンガンストレイト。鞍上風早(かざはや) 颯也(そうや)

 6枠8番。小さな馬体に宿る熱。今日もロケットスタートで先頭を狙うか。

 ポケモーター。鞍上平坂(ひらさか) 光輝(こうき)

 6枠9番。デビュー戦では驚異のレコード勝ち。翼を広げてどこまでも。

 ダイヤンフライヤー。鞍上ステファノ フェラーリ。

 7枠10番。『短距離向き』と言ったのは誰だ。真の勇者は距離を選ばない。

 ロックスカッシュ。鞍上早乙女(さおとめ) (すすむ)

 7枠11番。流星のごとく現れたスピードスター。次の停車駅『皐月賞』へ出発進行。

 リュウセイライナー。鞍上大村(おおむら) 流星(りゅうせい)

 8枠12番。デビュー戦後の怪我から先月復帰。勝利の女神は彼に微笑むか。

 セトナイトスマイル。鞍上足立(あだち) 勝利(かつとし)

 8枠13番。去年の最優秀二歳牡馬は伊達じゃない。脚質を選ばない狂戦士ここにあり。

 ユウショウオリオン。鞍上フィリップ ルノー。

 以上十三頭で争われます、GⅡ競走『スプリングステークス』。発走時刻は十五時四十五分です。発走までもうしばらくお待ちください」

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