戦闘機博覧会
尻切れトンボで申し訳ないです……
チベットのなけなしの陸軍航空隊と、イギリス空軍、日本陸軍航空隊の3か国合同航空隊が、造成されつつあるロプノール飛行場に続々と到着していった。チベット陸軍航空隊が装備しているのは、日本のおさがりの八年式戦闘機である。
横須賀海軍工廠 八年式戦闘機3型甲
機体構造:高翼単葉
胴体:鋼管フレーム羽布張
翼:テーパー翼、GFRP主桁/ナイロン-タルク材リブ、羽布張
フラップ:鷹司=奈良原フラップ(ファウラーフラップ)
乗員:1
全長:7.2 m
翼幅:10 m
乾燥重量:900 kg
全備重量:1200 kg
動力:帝国人造繊維 "A100C" 強制掃気2ストローク空冷星型複列10気筒 ×1
離昇出力:500hp
公称出力:400hp
最大速度:334 km/h
航続距離:800 km(増槽で+200km)
実用上昇限度: 9000 m
武装:八年式航空機銃×2(機首固定)
1型と比べてエンジン出力が増大し、主脚にスパッツがかぶせられ、燃料タンクが増量され、落下式増槽の装備が可能になった。他にも種々の不具合対応などが行われており、日本軍的には旧式機になってしまったものの、世界的にはまだまだ第一線で戦える機体である。
「まるで飛行機の展示会みたいになってるね」
「キャロちゃんは飛行機もいけるくち?」
「嫌いじゃないかなー。でも自分で操縦したくはないかも」
キャロとミカの2人は、昼食をとりながら飛行場にならぶ各国の軍用機を眺めていた。
「三次元とか難しいもんねー」
「ただでさえ空気薄いところにすんでるのに、誰が好き好んで空を飛ぼうと思うのかっていうのもあるよ」
飛行機の操縦の難しさにミカが同意すると、キャロがけらけら笑いながら付け足す。
「それにしても、こうしてみると、国が違うとデザインセンスも違う気がしない?」
「日本製の八年式と、イギリス製のゲームコック。まず単葉と複葉っていう大きな違いがあるけど、ボディラインの引き方とか違うように見えるね」
この基地のイギリス空軍の主力戦闘機は、グロスター ゲームコックであった。史実でも存在していた機体だが、エンジン出力が倍近く違うため、性能面に大きな差がある。
グロスター ゲームコック Mk.II
機体構造:複葉
胴体:ナイロンGFRPフレーム羽布張
翼:テーパー翼、ナイロンGFRP主桁/ナイロン-タルク材リブ、羽布張
フラップ:スプリットフラップ
乗員:1
全長:6.0 m
翼幅:8.0 m
乾燥重量:900 kg
全備重量:1300 kg
動力:ブリストル "ジュピター Mk.XVIII" 過給4ストローク空冷星型単列9気筒OHV4バルブ ×1
離昇出力:900hp
公称出力:750hp
最大速度:360 km/h
航続距離:900 km
実用上昇限度: 11000 m
武装:7.7mmヴィッカース機銃×2(機首固定)
「そのうちチベット独自の戦闘機とか作るようになったら、また違う見た目になるのかな」
「そうなるんじゃない?実際、十年式戦闘車改は、砲塔と車体で明らかに別の人が設計した感じが出てるし」
とはいえ、戦車以上に信頼性に気を使わなければいけない航空機の設計難易度は並大抵のものではない。チベットが独自の機体を開発できるようになるのは、割と先の話であった。
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