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ある日森の中おねぇさんに出会った。

作者: つこさん。
掲載日:2020/11/30


こちらは「なろうラジオ大賞2」の参加作品です。


続きはなんとなくあるのでご要望あれば連載します。




「で、あなたはそこでなにをしてるの」



 エヴリーヌが森の中で出会ったのは、やたらとでかい図体の女性(・・)だった。

 いや、女性というにはでかすぎる。

 だが身に着けている服はどう見ても女性のもので、黒い頭髪は長く毛先は丁寧に巻かれている。

 問われたからには答えねばならぬと、エヴリーヌはうずくまったままその巨躯(きょく)を見上げる。



「はい、足を痛めてしまい、木の根元にかがんでおります」


「ええ、そう見えるわ」



 ゆっくりと女性(・・)らしきその大きな人は頷き、「問題は、なんでこんな森の奥で、あなたが足を痛めているのかということよ」と疑問を述べる。



「とても込み入った事情がございますので、ひとことでは説明しかねます」

「そうでしょうとも」



 大柄の女性(・・)は大きく頷き、エヴリーヌと同じようにしゃがんだ。



「見せてご覧なさい」



 言われて押さえていた足首から手をはずす。

 他人に触れられるとさすがに痛くて、エヴリーヌは声を上げた。



「腫れてるわね。

 とりあえずあたしの小屋(ロッジ)に行きましょう。

 立てる?」


「……ムリです」


「そう、じゃあちょっと失礼するわね」


 そう言うと女性(・・)はエヴリーヌを軽々と抱え上げた。


「いえ大丈夫です、おかまいなく、大丈夫ですから!」


 慌ててエヴリーヌが言うことにも注意を払わず、女性(・・)は大きなため息をつきつつ更に森の奥へと進んで行く。



「大丈夫なわけがないでしょうし、おかまいなくで済むわけもないでしょうが。

 一体どうしてあなた様(・・・・)がこんなところに居るのかしら」



 その一言で察し、エヴリーヌは身を固くした。



「……わかっちゃいましたか?」

「わかっちゃったわね」

「見逃してくださいませんか?」

「それは難しい相談だわ」

「お願いします、後生ですから」

「供もつけずに森の中で怪我をして動けないでいるか弱い女の子を、見て見ぬふりできるほどあたしも悪人じゃないのよお」



 問答無用で連れてこられたのは、小屋というには立派な二階建ての木造の家だった。

 厩舎もあり、馬が二頭つながれている。

 器用に足で扉を開けて中に入ると、女性(・・)はエヴリーヌを椅子に座らせた。



「靴を脱いで。

 冷やしましょう」


 桶に水を汲んできて手ぬぐいをしぼり、エヴリーヌの足首に当てる。

 痛みが和らいでエヴリーヌは安堵のため息をついた。

 その様子を見てから、真っ直ぐに青い瞳でエヴリーヌの目を覗いて女性(・・)は言った。



「さあ、ちゃんと説明してもらうわよ、聖女エヴリーヌ様(・・・・・・・・)

 いったいどうしてあなたはこんなところにいらっしゃるのかしら?」



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― 新着の感想 ―
[一言] 聖女ちゃんの状態を見るにあまり芳しい状況ではないはず。にもかかわらず、どことなく安心感があるのは彼女を保護しているのがおねぇさんだからでしょう。おねぇさん、最強。おねぇさんスパダリ説に納得で…
[良い点]  こちらを読んで思ったのですが、表裏一体で両方とも1000文字にしたということでしょうか? [一言]  読ませて頂きありがとうございました。
[良い点] おねえさんの隠しきれないスパダリ感 [気になる点] 続き
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